鶴瓶・上岡パペポTV
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PAPEPO FOREVER

What's PAPEPO
『鶴瓶・上岡パペポTV』とは、1987年4月14日から1998年3月31日にかけて、よみうりテレビ制作(日テレ系列)で放送されたトークバラエティ。昨今のお笑い番組に見られるような騒々しいテロップが一切無く、素材をそのまま切り出したような造りが特徴。今なお多くのファンが存在する。
笑福亭鶴瓶
1951年生まれ。六代目松鶴の十一番弟子として落語家デビュー。実体験を基にした鶴瓶噺には定評があり、ラジオパーソナリティ時代以来の根強いファンが多い。若手芸人のようないじられキャラから、映画俳優までこなすマルチタレント。ベーさん、ベー師匠の愛称で親しまれている。
上岡龍太郎
1942年生まれ。漫画トリオのメンバーとして漫才師デビュー。後年のファンからは『探偵!ナイトスクープ』の初代局長として知られる。切れ味鋭い毒舌家ながら、愛嬌のあるキャラクターが愛された。2000年をもって芸能界を引退。占い師・心霊にまつわるエピソードは今もって語り草。
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ルミナス神戸 2

ルミナス神戸 2 の前編は、大シケの収録のため、海難事故や「漂流したときの心得」など、ゲンの悪いトークからスタート。続いてシモトークへ。「モザイクの街」、「アラーキーの人妻写真はブッサイク !!」。途中「明石海峡大橋を通過」、「北朝鮮の工作船には誰が乗っているのか」を挟み、「魚のタマゴと性への目覚め」、「高額納税者番付」。後編は、鉄板の「チャッピーの死」からスタート。「ハトは何が可愛いのか」、「パペポに来た特攻隊の格好をした二人組」、7の月を直前に控えた「ノストラダムスの大予言」について。ほか、「吉田監督が可愛い」、「ミスタープロ野球長嶋〜落語界でミスターといえば?」、「焼き肉フランス人とニンゲン肉料理」、「上岡の先祖〜高知で有名な大泥棒」について。

今日の鶴瓶噺

(とある国の沈没事件)――「機関室が火事になったらしいでっせ。水を入れて消そうと思って、水を入れすぎて沈んだんや。アホや」

(モザイクの街)――「今のこの時代に "モザイク" いうような街ねえ…。ほんならこっちは "前貼り" いう街で。"今度は前貼り行こうかー"ってなもんやね」

(雑誌のコーナー)――「ヒドイのは、今、アラーキーがやってる 『週刊大衆』 の人妻を出すやつ。…ブッサイクな嫁はんばっかりや !! ええ加減にせえよいうやつや !! ( 放送禁止)48 歳。乳タレとんねん、どないなっとんねんと。これは出たらアカンで !! 【御主人に身体がキレイと言われて出ました】 って、ブッサイクやわ!! 今週号も見たけどブッサイク !!」

(パペポ時代のコワイ出来事)――「フロアが来て "すいません、( 放送禁止)の人ふたり来てますけど、何かあったら僕ら行きますから…" …行きますから言うたって、あったら遅いわい!! 丸坊主の特攻隊の服着た人がグーッと、何言うても笑えへん。コイツら来よったらエライこっちゃな思うしね。なんか怒って睨んでるんですよ。…特に俺を」 , 「二本目始めようと思ったら "あの二人ハガキ持ってたんです" …だから、並んでと、ハガキも持って来たんですよ。ああそうか、と。二本目に刺しに来よんねんな、と」 , 「僕の銀行の暗証番号を言わはったんですよ。ずーっと笑わなかった丸坊主が、その時に声出してワーッと笑ろたんです。…タダのパペポファンやったんです。何で特攻隊の格好してんねん!! オカシイやないかいっ !!」

(タクシーの運転手さんが)――「 "鶴光さんなら、夕方のラジオやってますよ" って言うたら "ああそうですか。僕は、ツルビンならよくラジオで聞くんですけどねえ"………。一人増えとんねんけどね、これ」

(こんなイヤな名前の店)――「六本木に焼肉フランス人いうのありますよ。あんなもん…(放送禁止)みたいやな! そんな名前つけたらアカンでえ! …あるやろ何か!」 , 「民芸肉料理はや。聞きようによっては "人間肉料理" に聞こえますからね。韓国の人が俺見て "ああー! ニンゲン肉料理! " ……民芸 !!」

今日の上岡語録

(船の旅行は贅沢です)――「コックも腕の見せ所ですよ。材料はいっぺん載せたらもうそれ以上は無い、客は毎日一緒ですから。おんなじ客に限られた材料で毎日違うモン食べさせなイカン」

(明石海峡大橋を臨む)――「でも、こんだけ凄い橋を海峡に掛けるなんて、柿本人麻呂も、こうなるとは思わなんだやろねえ…」

(上岡少年、自慰行為を知る)――「僕は "せんずりは 墨田の川の渡し守 竿を握って川をあちこち" っちゅうんで、ナルホドこうしてやるのかあ、と。我々の先輩は、それこそ、マス。マスターベーションの略なんでしょう。マスは。それをひっくり返して須磨の浦って言うてましたね。キレイな言い方です。須磨の浦」

(ノストラダムスの大予言)――「これは当たりますよ。1999 年の 7 月に、阪神はもうダメになります…。ノム虎ダメス。空から大魔王が降りてくる、さあこれや問題は。ダイエーの王やないかな」

(上岡さんのご先祖様 )――「僕自身は聞いてないにゃけど、僕のことを調べてたルポライターが調べて教えてくれた。… "あなたの曾お婆さんは高知県で有名な大泥棒でした"… "ああそうですか…。ありがとうございました" って」

大シケの日に船内パペポ

鶴瓶「こんな……
こんなんテレビやる状態やあれへんやんこんなん!
……そうでしょ ?!
これホンマにー……。南京町で今
中華料理食べてきましたからねー。
全部出ますよ。ホントに。
出すんにゃったらセットで出しますから。
ええ。水餃子も出ますよ。いろんなモン出まっせ。
――ほんでコレ必死に喋っててもでっせ?」

上岡「はい」

鶴瓶「船がいっぺん……まあゲンの悪い話ですけど。
これ沈むようんなったらこの人ら
いっぺんに逃げだしますやんけ。
なんぼ俺らは、言うたら職業ですから」

上岡「ボクらは船長と一緒ですから。
船と生死を共にする……」

鶴瓶「そうですよ。最後まで、沈むまで
"そんなアホなー! " とか言いながら
ブクブク〜ですよ?」

上岡「それはもう、タイタニックのバイオリン弾きと一緒や。
最期まで喋ってますよ」

鶴瓶「延々喋ってまんがな。
こんなヤツら、ただ笑ろてるだけや。そいで
"あー! アカンアカン! 笑ってる場合ちゃう! " 言うてやな。
みんな出て、ガーッ我先に行って」

上岡「ああ。せやなあ」

鶴瓶「せやがな。分かったんねん。大体。
そんなモンや、 "人気" いうのは!」

上岡「……それは "人気" とは
また別モンでしょう?」

鶴瓶「いや、それでも
"死んでもええからこの人たちの話聞きたい" 言いながら
一緒に "ブクブクブクブク〜" と。
"うわ、これ面白いワハハ〜! " って。
笑いながら死んでくれる人が何人いるかですよ

上岡「そんなヤツいたら気持ち悪いやろソレ。逆に」

鶴瓶「いや、まあ中にはいてるかもわかりまへんで?」

上岡「我々のは軽い、余裕のところで
出てくるモンですから。歌とか笑いとかはね」

鶴瓶「巧いこと言いますなー」

上岡「全ての上が整ったその上であるモンですから、その……」

鶴瓶「あんまりちょっと難しいこと言いなはんな。
吐きまっせ? "我々のは……" 言うて
"ビュゥーッ! " って。ええ。でもそうです、やっぱり……」

上岡「でこれ、テレビには映ってんのかね? この揺れは」

鶴瓶「そや。カメラマンも気分悪いやろ
こんな揺れてんのグーッっと一点みつめたら」

上岡「これは、何? 全体が揺れてるから
映しても揺れてるようにはわからんワケ?
これね、テレビの前の人にも揺れを実感さすために
ねえ、グワーッって揺らしてやね……」

鶴瓶「そうですよ。アレねえ。いや、まあ
いっぺん皆さん、素人が撮ったビデオを
ずーっと観てたらね、吐きまっせ?
ホンマ、酔うよ? ホンマにアレ」

上岡「昔の船はねえ、もっとねえ、油の匂いとかねえ
異様な船の匂いがあって
揺れだけはでなくて匂いとともに、こうちょっと
吐き気を催すようなのありました」

鶴瓶「ナルホド。エンジンのところから来る、匂いですよねえ」

上岡「でもここなんかもう
ホテルのロビー並の快適さですから」

鶴瓶「せやけど、ライト当てられる
暑いわ、もうしんどいわ……。
甲板に出たらまだマシやけどねえ」

上岡「甲板でやってたらボクは
ウクレレ持ってきてやね、ピットの上へ足上げてね。
♪う〜み〜の〜 男は〜 行く〜……」

鶴瓶よう首振りまんなあ、今日は

上岡「♪強者は〜 行く〜……」

鶴瓶「ほぉー、えらい久しぶりに唄歌とてくれましたなあ?
これは嬉しいわ。下から見たら。ええ?」

遭難したら、どうしよう

上岡「活きのエエ魚が、勝手に向こうから
飛び込んでくるヤツがおるらしい。ヨットに。
一番困るのがやっぱり水ですね」

(――と、船が揺れてざわめく観客)

鶴瓶「………。ちょっと待ってください。
さっきも言うたやろ ?! 一緒に死ぬ言うて !!
ちょっとゴオオいうただけで "おー…"
人の話聞きやがらんと、この人が今
しゃべってはるやないかい !! 何が "おー" じゃあ !!
ちょっと揺れたんじゃ、大丈夫じゃそんなもん !!」

上岡「船はね、100 パーセント大丈夫」

鶴瓶「…何ででんねんな…」

上岡「飛行機はアカン言うてから
墜ちるまでかなり早いでしょう。
船はアカン言うてから、一分や二分で沈み切りません」

鶴瓶「 (^^) せやけど、そんなこと言うてても…
分かりまへんでえ?
ズオッ !!(甲板が真っ二つ)ってなったら…
"アンタ言うてたがなっ !!
 なんやウンチクばっかり言いやがって !!
 …ブクブク〜…" って」

上岡「 (^^) …大丈夫」

鶴瓶「大丈夫でっか ?!」

上岡「全員が救命胴衣を着けて、救命ボートもちゃんとあります」

鶴瓶「聞いてまんの? それは」

上岡「――で、これ神戸港でしょう」

鶴瓶「そんなもん沈むいうたら
そのへんのプールでも死にまっせ?」

上岡泳いでいったら五回ぐらい漕いだら岸着くがな

鶴瓶「なんでやねん !!」

上岡それに、ここらは背ェ立ちます

鶴瓶「 (^^) …アホなこと言いな…」

遭難したら、どうしよう・その 2

上岡「救命胴衣着けて、泳ぐよりも
ジーッと浮かんで体力消耗せんのが一番です」

鶴瓶「ああそうですか。…誰か助けに来てくれるまで?」

上岡「そうそう。動いてると体力消耗して死にますから」

鶴瓶「せやけど、来てくれへんかったらその不安は――
"見えてんねんけどなあ…。
 見えてんねんけど、上岡さんが言わはったから
 見えてるけどなあ…。もう五日目やでコレ…" って
 これはあきまへんで? ホンマに!」

上岡「ボートピープルというのが一時期問題になったことある。
ほとんど助かったのは女子供なんです。
男はほとんど死んでるんです」

鶴瓶「皮下脂肪が多い?」

上岡「男はみんな "助けてくれー !! " ってやるから。
ガーッと漕いだりするから、体力消耗する。
なあんにもせんと女子供はジーッとしてるから助かる。
山へ行ってもほとんどそうでしょう。
男が "俺が探してくる、お前らここにいろ" って
遭難が余計に遭難をする。…ジーッとしてるやつは助かる。
――ただ、『ポセイドンアドベンチャー』 のときは
ジーッとしてたヤツはみんな死にましたけどね

鶴瓶「どっちやねんっ !!」

上岡「 (^^) ……」

国籍不明の不審船現る !!

鶴瓶「断定しすぎですわ。それは北朝鮮かどうか分かりません」

上岡「国籍不明の逃げた船ね。
北朝鮮のほうへ逃げて、北朝鮮に聞いたら "知らん" って」

鶴瓶「そうそう。だから知らんねん。どっかへギューッと…」

上岡「でも(放送禁止)とは思われへんでしょう」

鶴瓶「だから、違うんです」

上岡「日本の自衛隊が追い掛けても捕まらんぐらい。
――かといってロシアにもあるハズないしね?
ということは日本のエンジン売ってんのちゃう?」

鶴瓶「向こうは人力…」

上岡人力? …(ヨットを漕ぐ仕草)漕いでんのか?」

鶴瓶「この(放送禁止)でガーッと…」

上岡「子供の頃から!」

鶴瓶「――アカンアカン、やめとこやめとこ !!
お前らええ加減にせえよ ?!
こんな話になったらノリやがってアホオ !!
こんなとき明石海峡見とけっ !!」

タマゴ

鶴瓶「鶏が鶏を生もうとして産んでるこの、卵を。
食べてやろう、それも生で。そんな可哀相な……!」

上岡「いや、でも魚の卵はようけ食べるわな。
シャケの卵もニシンの卵もねえ」

鶴瓶「タラコなんかどんだけ美味いか。タラコ美味い!
タラコ無いことは考えられない」

上岡「明太子好きなの? タラコ好きなの?」

鶴瓶「どっちも好きですね。生も好き、焼いても好き。
うまいことしとるなあ……。
あれは、誰ですか? タラコは何の子?」

上岡「タラの子」

鶴瓶「 (^^) 」

上岡「難しい質問やな。…… "筋子は何の子? " 」

鶴瓶「……ホントに考えたら、ほれで
明太子でも取られ。朝の朝食にも、みぃーんな出ェ。
いっつも旅館ではタラコ。ずーっとタラコ。
仰山、全国タラコ、タラコや」

上岡「そうよ。福岡なんか
明太子売り場行ったらもう嫌ほど並んでるからね」

鶴瓶「そうですよ、一生懸命タラが産んだ子を!」

上岡「あ……えっ? "産んだ子"?
あれは別に産んだ子やないでしょう」

鶴瓶「 "持った子" を?」

上岡「 "持ってる子" をでしょう」

鶴瓶「え、これはセックスして?」

上岡「いやいや (^^) セックスしなくても
卵は出来ますから。
女性の方は皆さん、月に一回卵をお作りになって
排出してはりますからね?」

鶴瓶「へ ?!」

上岡「ま、タラとかニシンとかは数が多い……」

鶴瓶「ちょっと待ちなさいな、アレ、俺ら生理喰うてんの ?!

上岡「生理のモト」

鶴瓶「……気持ち悪い…… (^^)
モト? ……それがウマイんや。ウマイねん」

上岡「せやけど誰が食べだしたんやろ?」

鶴瓶「誰が食べだしたんやろ、ガーッてもう
アレが無かったら、子供は生まれないんでしょう?」

上岡「はい……。まあね」

鶴瓶「そういうことですわ。
ね? ――子宮取られるようなモンや。
(タラが抵抗しながら)
"やめてーっ" って。
もう言うてるよ。
"取らないでーっ" って。
"やかましー! " グワーッって。ほいでもう……」

上岡「それでも絶滅せえへん」

鶴瓶「絶滅せえへんがな! あんだけ、子を。
朝から仰山カラシ付けて……」

上岡「でも、アレはまあ無精卵でしょうから。
せやなあ、魚はほとんど
ワーッと産んでその上へ掛けんのかな。
でも、魚のオスも気持ちええんにゃろな。
あそこで生むときもう
最高の気持ちええんにゃろねえ、あんなん」

鶴瓶「え? 掛けるだけでっか?」

上岡「そうそうそう」

鶴瓶「掛けて気持ちええの?」

上岡「体と体まぐわいませんよ。魚はね」

鶴瓶「そんなら何や、その卵を見て興奮するワケや」

上岡「そうそう」

鶴瓶「 "うわーっ! " って」

上岡「そんで、その上で精子をブワーッって掛ける。
その時、もう最高の気持ちなんやろね、アレ」

鶴瓶「オナニー? オナニーなの?
魚はブワーッって "オナニーやっ! "
……ってなモンですか?」

上岡「そうやね (^^)

鶴瓶「で、どないすんねん。エラでキューッってしよんの?」

上岡「ちゃう、水でこすりよる」

鶴瓶「水でガーッってこすりよんの ?!
 俺の友達にいてましたわ。
"お前、手ェ使えへんのんか? " いうヤツ。
"みんなでしょーかー" いうたら
 手ェ使わんと、急にこのへん這いずり廻って……。
 だからみんな止めて。ね? そいつ見てたもん。
"お前、大丈夫かー? " 言うて。高校のとき」

上岡「そいつは何? 擦って気持ちいいの?」

鶴瓶「擦って、イクんですよ。
"それはアカンで" と。友達んトコでみんなでね。
"富山のシューズ見てやろか? " 言うて。
 やったときですわ。
 んで、全員でやったんですけど
 まあ一番が木村。二番がボク。
 三番が木村やったんですよね。
"……何べん生むねん" いうヤツですわ。
 せやけどそのもう一人、こいつはずーっとねえ
 這いずり廻って……
 俺、そんなん見たの初めてや。
"何してんねんお前! " って言いましたもん。
 ずーっと這いずり廻って。それも、長いことかかんねん。
"辛気臭いなぁ ?! " いうヤツですわ。
 これですわ。魚や、アイツ。
"人間は魚から成る" 言うてましたやん」

上岡「そうそう、元々魚やからね」

鶴瓶「そない進化してない。
そんな珍しいでっせ? 畳にこすり付けて……」

上岡「ボクは、物の本から知りましたですよ。
あの狂歌というか、和歌というかねえ」

鶴瓶「辛気臭い知り様やなぁ。
 俺は……あの、アレですわ。
 糸クズ付いてたからピュッと取ったら
"ふぅっ……? " ってなったんや。
"ええっ ?! " って。
 そんでもう糸クズ何べんも入れて……」

上岡「糸クズがイッたん ?!」

鶴瓶「その後は、アレですわ。校庭の竿やんか。
(上から下へ滑り下りて) ひゅー……ぶるるっ! って。
♪たーんたたーんたーんたたーん…
"校庭の端で遊んでいる方、帰りなさい!
 竹の棒で遊んでいる方、帰りなさい!
 ……帰りなさいっ !! "
 ――家にアレ買うてもらおう思ったもん」

チャッピーの死

鶴瓶「九官鳥はもう死にました!
ちょうど、ボクが弟子入りして暫くして皆死んだんですよ」

上岡「キミが殺したの?」

鶴瓶「いやいや、殺してません (^^)
犬も死んだんや。死んだんやけど、たまたま……
犬なんか 18 年住んでましたんやで?
俺が殺したんちゃう、たまたま偶然それが合うたんやもん。
それなのにうちの師匠は "お前が殺した" 言うんですよ。
たまたま寿命と、俺が入って四ヵ月くらいしたんとが
重なったんですよ、チャッピーの死ィいうのが。
"ファン! ファン! " 言うヤツですわ。歯ァ抜けてたんやもん」

上岡「老犬やね」

鶴瓶「犬の歯ァ抜けた……老犬なんか見たことありますか ?!
歯ァ抜けて。 "ワン" も言えないんですよ。
もう犬の値打ちが無いじゃないですか。
"ファッ! ファッ! " ってもう抜けるんですよ。
"ファッ! ファッ! " って。――で、臭いんですよ。
臭い匂いをそれでもボクは "大丈夫ー? " とか言うて
よう抱いてやりましたよ。 "あー大丈夫ー? " って言うて。
……何で殺しますか? 思い出すなァ……」

上岡「 (^^) 」

鶴瓶「五月の終わり頃やった……。
朝も早よから戸ォ開けよう思ったら泣いてんねん。
中でうちの師匠が」

上岡「師匠が泣いてんの?」

鶴瓶「泣いてまんねんで!?」

上岡「珍しいな……」

鶴瓶「 "チャッピィィィ !! " ……言うて。
 俺、ビックリしましたで。
"チャッピー、アーちゃ…… チャッピー、あぁぁぁ!
 ああ、チャッピー !! "
 俺が "もう開けよー" 思ったんや。中で泣いてんねん」

上岡「ほう」

鶴瓶「師匠の泣き声聞いて。
チャッピーがよう鳴かんのに師匠が泣いてまんねん。
チャッピーは "ふぁふっ" って言うて死んだんや。
――で、師匠が中で泣いてまんねや。
なんかねえ……笑い顔なんでしょうね、俺が。
"チャッピィッ !! " ってバッと開けんのと、
同時やったんですよね、泣いてはんのが。
ほんで俺もう ――"絶対笑ろたらアカン" と」

上岡「何や、その "笑ろたらアカン" っちゅーのはどういうこと?」

鶴瓶「何か、師匠とアーちゃんが
必死になって泣いてるというのが……その、ねえ?」

上岡「何が可笑しくなったん?」

鶴瓶「 "可笑しい"? ――そのことは可笑しないんですけど
笑ってしまう何かがあるんでしょう。
それで後に 『突然ガバチョ』 の
"テレビにらめっこ" を作るんですけどね」

上岡「ほおー…」

鶴瓶「こんなときに笑ろたらイカン、
笑ろたらイカンときに笑ろてしまうんです。昔から。
ごっついヤンキーに囲まれて
思いっきり殴られてるんですけどねえ……。
何故か可笑しいんですよ。
"何でこない殴られんねやろ……"
牛乳ビンで頬刺されて笑ろてるんですよ?
"何でこんなことされんねやろ" と」

上岡「相手余計腹立つな (^^)

鶴瓶「だって可笑しいんですよ。
"ここまで……。そんな知らんやん、アンタら……" と。
"アンタらと面識あれへん。 さっきちょっと
 俺の頭が鼻に当たっただけや" と。怒るからね。
 物凄い怒ってんねんもん。
"そない怒らんでええやろ" と。
 もう、可笑しいてたまらんねんもん。
 そんならむこう、ガーッって殴んねんもん。
 人が必死の顔ってオモロイでっせ。
 オバハンが立ち漕ぎしてガーッって。
 坂走って来る顔とか、めっちゃオモロイでっせ。
 グワーッ !! 夫も子供もあんねやろうけども。
 この坂を登り切りたいという、オバハンのごーっつい顔ね。
 オニババみたいな顔。あんなん見たら可笑しいねんもん。
 それからもう、人が必死になってることが可笑しいんですよ」

上岡「 (^^) 」

鶴瓶「で、門開けてたら、ガーッって言わはるし……。
"もうアカン" 思ってガンガンガンとか殴って。
顔殴ったりして。おとうと弟子の小松と
アイツもまた笑いよんねん。そんで俺入っていったんですよ。
"ああ! 師匠 !! どうされたんですか ?! " って言ったら
(泣き声で)――"なに笑ろてんねん"
もうソレが可笑しいでしょ?
"なに笑ろてんねん! 何笑ろてんねん !! "
 泣いてる顔が、ごっつい怒らはって
"なに笑ろてんねん !! " 言うから
"いや、笑ろてません" ―― "笑ろてたやないかい !! "
"チャッピー、お前殺した人来はった !! " って
 言わはったんですよ (^^)
 だから、全部俺が殺したことになってるんです。九官鳥も」

上岡「え、何? それは老衰やったん?」

鶴瓶「老衰ですよ」

上岡「生あるものはいつか……ね」

鶴瓶「死にますよ! それは。
18 年生きてはるんですから。チャッピー。
それは、ピーコも。九官鳥も、死んだんですよ」

上岡「それは爪楊枝ハナに付けて?」

鶴瓶「違います違います!
いや、そら付けましたよ。
付けましたけども、そのことが原因で
死んだワケじゃないです。
ある日カタ〜ッなってたんです (^^) 」

上岡「鳥の寿命ってのは短いの?」

鶴瓶「短いでしょう、鳥の寿命は。
鳥ってあんまし好きやないんですボク。
ハトは。ハト嫌いじゃないですか? 何かオドオドして。
平和のしるしや言うてんのに人信じよ。
そば行ったらブワーッ (羽を広げる) って、
またサバみたいな色してねえ。
クックッ…… (首をコクコク動かす)
"何ぬかしとんねやこのガキは" と。
あの顔も嫌いや。あれやったらまだカラスのほうが
ハッキリしとる。ハトは大嫌い」

上岡「ほぉー」

鶴瓶「そんなん飼う人、信じられへんわ。
飼うて飛ばす――」

上岡「ハト飼うてる人おる?
――ああ、伝書鳩。アレねえ」

鶴瓶「アレ、何のことやわかれへん。そうでしょう?」

上岡「あのー、動物が可愛いというのは
疑似人間の部分が可愛いんでしょう?」

鶴瓶「んー?」

上岡「人間みたいなことするからね。
つまり、犬がフッと首かしげてみたり。
猫が何か、行きかけてシュッと後ろ向いたら
"人間がこう思ってんのちゃうか? "
ってなことやるから、可愛いなと思う。
だから、蛇とか亀ってあんまり可愛い思わへんね。
あんまり人間的な仕種せえへんもんね。
蛇がこう… (頬杖をついて) "おかしいな? " とかねえ。
そうすりゃ可愛いんにゃけど……。
アレ、なんにもせえへんからねえ」

鶴瓶「気味悪いがな、そんなモン」

上岡「でも、ああいう爬虫類カワイイとか言うて
飼うてる人もいるからねえ」

鶴瓶「あれは分からんやわ、アレ……。
だから、亀もいっぺん甲羅全部……」

上岡「アレ。そやねえ」

鶴瓶「アレ、くびれてんのやろか。
もーのすごい、ナイス・バディやったりして…… (^^) 」

愛される長嶋茂雄

鶴瓶「普通は怒られるでしょう、あんだけの戦力でドベやったら。
ボロカスに言われるのに
長嶋さんの悪口は誰も言わない。怖がってまんがな。
これが阪神の監督やったらボロカスに言われまっせ」

上岡「僕は、長嶋は永久巨人監督でいいと思う」

鶴瓶「なんで?」

上岡「昔シールスのオドール監督とかね、こないだまで
ドジャースで三十何年間監督してたり
外国では監督業というのは長くやって普通ですよ。
長嶋は死ぬまで巨人監督。
実務を誰か、もうちょっと周りがちゃんとしたらな。
そこまで長嶋も手ェ廻らんでしょう」

鶴瓶「実務というと」

上岡「それこそコーチですよ。
去年までピッチングコーチやってた人が
いま解説に廻って "中継ぎがダメですねえ" って
オマエは何してたんや、と」

鶴瓶「なるほどね…」

上岡「僕は長嶋大好きですしねえ。
ずっと長嶋というのが巨人軍にいてる。
もうそれだけでいいと思う。長嶋巨人でいいと思う」

鶴瓶「長嶋さんのファンって多いでんなあ…」

上岡「ミスターですからねえ…」

鶴瓶「なんのことやの」

上岡「………」

鶴瓶ミスタートラ・唐渡もそうですよ?

上岡「 (^^) ははあ」

鶴瓶「あれもミスターでっせ? 唐渡さんも」

THEME SONG :

BEGINNING DIALOG :

ENDING LETTER :

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1999年8月

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1999年9月

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1999年10月

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