No.504 は、「鶴瓶再ブレイク計画」と「人間国宝について」、「上方お笑い大賞を獲ったことありますか」などお笑いトークからスタート。続いて「殺人犯に疑われた中村マネージャー」、「テレクラの仕組み」、以降しばらく声と言葉にまつわるお話。「たかじんとリリアンに似てる鶴瓶の声」、「男言葉と女言葉、大阪弁のサムライ・楠木正成も河内弁か」、「美しい言葉としての方言」、「敬語を使わなくてもいい人柄」。ほか、「仮免試験の思い出」、「兄とその義父が動物を轢く」、「緊張の合格発表」。
(いらないもの)――「僕、新野先生に "賞やる" って言われたんやけど…いらんっちゅうねんアンタに賞 !! いらないいらないそんなもん !! こっちからあげるわ!」
(外国の賞をもらえるのは嬉しいものです)――「アメリカ人がエライわけやないよ? その人が、全然違う国の人を選んでくれる。これは嬉しいがな、そんなものは」
(ある殺人事件の犯人に、マネージャーが疑われた!)――「 2 月の 10 日の夜中に殺されてるんです。で、11 日がアイツ休みやから、もう完全に犯人やと俺も真っ向から疑うたんですけどね。犯人やったらおもろかった。俺も殺されるかも分かりませんからね、犯人やったら」
(大阪の武士は、"ござる" なんて言ってない)――「大阪弁のサムライですか? …… "斬りまひょかー? " …そんなサムライいややろっ!」
(兄と、兄の娘の義父と、三人でお話しました)――「 "兄貴、ウチの息子、免許取ったときにネコよけよう思って事故起こしたんや" …ほんならうちの兄貴が。"そんなんアホやなあ! 避けたらアカンねんバーンと轢かなアカンやん! …俺あれどこやったかなあ。大きなポインター出てきよってバーン轢いたってん。ほんなら死んどれへんで、フラフラ〜ってどっか行きよったわ」 , 「お義父さんが。今度親戚になる方ですよ。"ワシもねえ、大きな目のギョローッとした何か光るもんがバーッと出てきたから、ボーンっ轢いたんや。後ろふーっと見たらタヌキ。家へ持って帰って、なめしてもうて、いま娘がマフラーにしてます。"…うはははは。ええ勝負しまっせこれ」
(言葉の使い分け)――「大阪弁は、男言葉と女言葉が無いでしょう。字で書いたら男なんか女なんかがワカランのが大阪弁なんです。東京なら "そうよ私行ったのよ" って書いてあったら、どう見たって女言葉でしょう。でも大阪弁で "へえ。行きましたんや" …これ男でも女でもいいでしょう」
(楠木正成・正行親子も、標準語だったはずがない)――「あんなこと言うてたはずない。千早赤坂村やから。…せやから… "オトン! 敵きよりましたんかい ?! " … "お前は下がっとけババ掛けたんねんっ!! " …そない言うてたような気ィするなあ」
(標準語は汚い言葉 ―― 「標準語というて俗に出回ってるのは灰色の言葉ですよ。全部が分かるようにしただけですから、言葉としては一番キタナイ色なんですよ。色なんか全部合わせるとキタナイでしょう」 , 「分かりやすいという点ではいいですけど、何々 "しやすい" ということが、そんなにええことかというのは、もう皆さん分かってきたでしょう」
(マナー)――「マナーというのは結局、誰にでも当てはまるモンをいっぺん規律として決めとこう、と。そのほうが安心やから決めただけのことで、それを破る・破らないというのは、あとは人柄ですわね。破られてても気にならん人もおれば、守ってても気になる人もおる」
(突入かブレーキはドライバーの判断)――「それは咄嗟の判断ですから。… "行けっ! " って時と、"ブレーキ! " って時と。それから "オバンっ! " っていうとき困るわな。どっち ?! これ轢いたげたほうが家族喜ぶな、って。瞬間の判断」
(産めよ増やしてよくない奴ら)――「親がちゃんとしてないのは子を生んだらイカンな、と思うのおるよね。コイツらが子を産んだらイカンよ、と。こういう種族は増やさんほうがいいよ、と。絶滅さそう、みたいなね」
鶴瓶「 "そんなんよう出はりましたな! " って言うたら
"知らなかったんですぅ〜…" 言うから。
電話しはって。すぐ受話器取りまっせ。
一発目。"も〜し〜も〜し〜" ガチャン! 切られはった」
上岡「 (^^) 」
鶴瓶「珍しいで ?! テレクラで
やっと取ったと思ってるのに、あの声で切られるいうの」
上岡「あんな声待ってへんよな…」
鶴瓶「 "切られた〜! " とか言うてはるから。
もうちょっと高い声で。"もしもしー! "
"あっ、もしもし。" って、ちょっと喋ってはる。
"名前は? " ―― "中村玉緒です〜" …ガチャン。
"イタズラや思わはる。違う名前で" ――」
上岡「 (^^) 」
鶴瓶「今度は ―― "カズコ。
"歳は? " ―― "56 !! " …ガチャン!
なんべん教えても切られはんねん。
"若こう言いなはれ! " ……で、次、
"36! " って言わはったんですよ。
ほんなら、また切られはったんや」
上岡「ほお」
鶴瓶「 36 でもあきまへんねん」
上岡「 25 、6 まで?」
鶴瓶「もっと若こう。"20 も若こ言うたのに" って
言うてはりましたがな」
上岡「ふふふ…」
鶴瓶「ほんで、そっからもう疑心暗鬼、
どない喋ってええかワカランようなったんやろねえ。
だからもう宇宙人みたいになってもうて。
"モシモシッ! " ―― "だあれ? "
"カズコッ! " ―― "歳は? "
"ニジュウゴッ! " ――
"なにしてんの? " ―― "オー・エルッ! " 」
上岡「 (^^) 」
鶴瓶「 "ひとり? " ―― "ヒトリ! "
"一人住まい? " ―― "ヒトリズマイ! "
……オウムみたいなってもうて……」
上岡「ふふふふふ…」
鶴瓶「ほんで――
"どんな服着てるの? " ―― "キモノ! "
"髪はどんなの? " ―― "アップ! " 」
上岡「そんな OL 気持ち悪い…」
鶴瓶「気持ち悪いでしょう ?!
25 が、家で着物きて。一人住まいでアップにして
テレクラに電話してる。コワイやんっ!
――でも、そんなんとよく逢おう言うなあ ?!」
上岡「ほお…」
鶴瓶「 "会おうよー" とか言うて、
渋谷の東急の前で待ってるからとか言うて。
ほいで、"手にはヤンジャンを持ってるよ"
――ヤングジャンプね」
上岡「漫画の雑誌?」
鶴瓶「 "漫画の雑誌を持ってるから" とか言うて。
スーツはグレーのスーツに、ネクタイはこんなんで――
"手にはヤンジャンを持ってるよ"
――ヤングジャンプなんて分かれへんわけや、玉緒さんは。
"えっ? 手に何を持ってはるんですか? "
"ヤンジャンを持ってますよ" ―― "飲茶? " 」
上岡「 (^^) なんで飲茶持つねん…」
鶴瓶「渋谷の東急前で、グレーのスーツ着て飲茶で…
ほんでこっちは髪アップで…って
コワイで! どんな戦いやねん !!」
上岡「緊急自動車、例えば救急車などが
後ろから来たときはどうするか――というので
"ただちに停止する" とかいう例題があった。
ただちには物理上停止できないでしょう。
ただちにはしないですよね、車って。
思い切りブレーキ踏んでも、何センチかは動きますよねえ。
それは無理や、と」
鶴瓶「あんた…ホンマに大人か?!」
上岡「 (^^) …ええ?」
鶴瓶「人間でもただちにとまられへんわっ!」
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1997年8月 |
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