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新銀河帝国/軍務省

パウル・フォン・オーベルシュタイン元帥
尚書・委員長 データ

ラインハルト時代の軍務尚書。民衆の支持、つまるところは公正にこそ寄って立つ新体制下にあって、人道を全く無視したバイオレンスな男。権謀術数の数々によって伸し上がった。生まれつき目に障害を持ち、「ルドルフ大帝の世なら抹殺されていた」という理由から反体制に傾倒、後々ラインハルトの傘下に入る。かつては統帥本部の情報処理課でミュッケンベルガーの下にあったが、性格のためか不興をかい更迭されると、当時ゼークトの幕僚として階級は大佐。ヤン・マジックを尽く見破りながらも司令官と反りが合わず艦隊は壊滅し、単身脱出したところを「要塞陥落の責任者」として処断されそうになった。そこで頼ったのがラインハルトで、才能を買われ参謀長として彼の元帥府に入っている。しかし正義感の強いローエングラム軍にあって純粋なマキャベリズムを追求する彼は異端者であり、提督たちの憎悪は彼に集中。それでも彼の用いる謀は全て「正論」と「私心がない」に裏打ちされたものであったため、その点では嫌われつつもある程度認められてはいたようだ。リップシュタットではオフレッサーを陥れ、200 万の命と引き換えにブラウンシュバイクを孤立化させると、キルヒアイスの死をもリヒテンラーデ失脚に結び付ける知恵者ぶりを披露したが、それは同時に提督たちから忌避を被る結果となった。その他レンネンカンプを犠牲にしての同盟併呑や、ラングの蠢動を黙認した挙げ句のロイエンタールの叛乱など表に出ない策謀も数多いが、「嫌われる」とか「義理人情」とかを全然気にしない性格でかつやたら無口だったため、事情が明るみに出るのはもっと後のことだろう。後にラインハルトの命で新領土へ赴き、危険人物を一斉検挙している。これも詰まるところは彼らを釈放するラインハルトの名声を高めるためにぶった芝居であり、皇帝の今わの際に合わせた地球教徒の殲滅など、人命をネタにしたトリックを数々やらかしてくれた。ミッターマイヤーの語る通り「オーベルシュタインがいなければ宇宙は平和」なのは間違いないのだが、皇帝としてのラインハルトを正義としたなら、彼もまた正義のカテゴリに入れられる存在なのではなかろうか。故にその死に様は全く以って「異形」、「不自然」そのものであった。ちなみに、柔らかく煮た鶏肉しか食べないダルマチアンを飼っており、これが彼の狭い狭い人格の幅を僅かに広げている。

「そうか、私の犬に見えるのか」
「それにしても、私も口数が多くなったものだ」
「残念ながら、ヤン・ウェンリーは彼の部下ではなかった」
「犬にはちゃんと鶏肉をやってくれ。もう先が長くないから好きなようにさせてやるように」

アントン・フェルナー准将
副官・補佐官・侍従 データ

オーベルシュタインの副官。後に軍務省の調査局長、官房長官。かつてはブラウンシュバイクの部下だったが、ラインハルト急襲を容れられず、かつ独自に起こしたそれを見抜かれた事で転向を決めた。シュトライトのような誠実さではなく、持ち前の「図太い神経」がラインハルトに気に入られたようである。オーベルシュタインの下にあっては彼の解毒剤として地歩を固め、その頭角を顕した。自己の才幹と行動力によって、どのような状況でも生き残ることができるという奇妙な自信を持ち、寡黙なオーベルシュタインの意図を数々洞察。どこまで当たっていたのかは不明だが、あの陰気な軍務尚書の腹の内を読者視聴者に明かしてくれた事は大きい。ルビンスキー追跡など諜報面で功績があったが、ラグプールでは負傷してラストまで入院が続いた。ちなみにコミック版では、エッチぃミニスカの女の子の家に転がり込んでいる。

グスマン少将
軍幹部・高級将校

オーベルシュタインの部下。フェルナー負傷による、官房長臨時代理。無能ではないがオーベルシュタインに対しては受動的。主体的な判断力や批判力に乏しく、命令を実行するだけの精密な機械と評される。現にミュラーとワーレンというVIPがルビンスキー逮捕の真相について尋ねた際も、すぐに裏の事情を教えたフェルナーに対し、彼は事務的に返すだけだった。

ヴェストファル中佐
隊長・実践指揮官

オーベルシュタインの護衛隊長。ノイエラント着任の際にも同道する。

シュルツ中佐
副官・補佐官・侍従

オーベルシュタインの秘書官。ノイエラント着任の際にも同道する。

ヤーコプ・ハウプトマン少佐
特務兵・工作員 データ

ガイエスブルグ要塞へ忍び込ませたスパイ。ヤンキー風の髪型でケツアゴ、どう見ても貴族とは思われへん。シュトライト・フェルナーといった実務級を失い、更にメルカッツへの取り成しをしたことから、ブラウンシュバイクからはアンスバッハに次ぐ(次席幕僚クラス?)地位を与えられていたようだ。しかしその裏で「ブラウンシュバイクの首を手土産に寝返る」などと、他の貴族を唆す工作も仕掛けていた。その後要塞突入時の主砲制御室占拠にも功績があったが、それにしても「味方することに決めた者だ」とはヌケヌケとよく言ったものである。フェルナー直属だけあって肝は座り、ガイエスブルグ陥落の際は彼に敬礼を施していた。同盟における彼の役どころはベイ准将だが、あのゴキブリ野郎と異なり、こちらは妙に肝が据わって心地よい存在である。

「武器を向けるべき相手が誰であるか、よく考えるんだ !!」

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