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旧銀河帝国/後期帝室

ヘルベルト大公
皇族

フリードリヒIII世の三男。後の遠征軍総司令官。健康・野心・人望ともに申し分なく、必要に応じて陽気にも謹直になれる男。概ね優秀な皇太子だったため、父のフリードリヒIII世も「箔付けのため」とダゴンに送り出した。しかし父や叔父の意見を聞き入れず、ムラッ気の多い性格から無能な友人たちに高位を与え、しかも有能な提督を蔑ろにしたため、これが完膚なきまでに叩きのめされてしまった。戦後は離宮へと移され、精神科医の診療を受けることとなる。ラインハルトの彼への評価は「無能者」だが、後に彼の配下が長兄・グスタフを毒殺したことからして、更に「卑劣漢」という蔑称を与えてもよいだろう。以来帝国軍と同盟軍は、小競り合いも含めて300回を越す戦いを繰り広げる事となった。弟・リヒャルトの行方、兄・マクシミリアンヨーゼフII世の失明に関しても怪しいものがあり、元より皇帝の器では無かったのだろう。

リヒャルト大公
皇族

フリードリヒIII世の四男。兄・ヘルベルトとそっくりな風貌を持ち、鼻は少しばかり大きいらしい。兄を激しく憎み、自分こそが帝位に相応しいと考えるが、ヘルベルトの敗北後に彼が皇帝になったという記述はない。その後どういった人生を送ったのかは不明だが、次々代の皇帝にグスタフが選ばれたところをみると暗殺でもされたようだ。

皇帝マクシミリアン・ヨーゼフI世
皇族

銀河帝国の第21代皇帝。第20代フリードリヒIII世の異母兄。

皇帝グスタフ
皇族

銀河帝国の第22代皇帝。第20代フリードリヒIII世の長男。日常生活を送るにも困る程に虚弱な体質で、近衛旅団の閲兵式に貧血を起こし倒れたこともある。故に次帝としては皇太子時代から度外視されていた。叔父の第21代マクシミリアンヨーゼフI世の死後その帝位を受け継ぐが、三弟・ヘルベルトの配下によって毒を盛られ更に衰弱。死の直前、次弟に帝冠を譲り死んだ。余りの在位期間の短さから、「百日帝」と呼ばれる。

皇帝マクシミリアン・ヨーゼフII世
皇族

銀河帝国の第23代皇帝。第20代フリードリヒIII世の次男。母の出生から有力な貴族の後ろ盾を持たず、かつ本人に野心もなかったため、大公時代は帝位継承レースからも相手にされていなかった。しかし宮廷闘争に巻き込まれた先人たちが次々と命を落とす中、遂には彼に玉座が周ってくることに。兄グスタフから帝冠を譲られたとき毒のため既に半盲で、優秀な皇后と司法尚書に支えられて改革を行なう。後に「晴眼帝」、「清掃帝」、「再建帝」、「中興の祖」と賞賛された。また自らの境遇のせいか、ルドルフ以来の悪法「劣悪遺伝子排除法」を有名無実化し、民生に力を入れたことも彼の名を高めることとなっている。証拠はないが、彼に毒を盛ったのはヘルベルトに違いない。

皇后ジークリンデ
皇后・寵姫

マクシミリアン・ヨーゼフII世の后。かつては皇太子時代の彼に侍女として仕え、後に妻として迎えられる。ヘルベルトに迫られて肘鉄を喰らわす程の剛毅さを持っており、毒により半盲となった夫をよく支え、国内の混乱を収束させる。夫を守るため、常に銃を携帯していたという。

オスヴァルト・フォン・ミュンツァー上級大将
尚書・委員長

フリードリヒIII世時代の帝都防御司令部参事官にして、マクシミリアン・ヨーゼフII世からコルネリアスI世時代の司法尚書。不仲ながらもダゴンの敗戦の責任を被せられたインゴルシュタットを弁護、「糾弾者ミュンツァー」として名を残す。その後辺境へと飛ばされるが、晴眼帝によって呼び戻されると若い皇帝をよく支え、第20代フリードリヒIII世以来の陰謀と汚職と冤罪の数々を一掃して、帝国を元ある姿へと戻した。その辣腕ぶりは皇帝からも尊敬を受けるほど。しかし次代・コルネリアスI世の遠征計画への反対は容れられず、自ら職を辞して責任に代えた。ちなみに軍人としても上級大将の地位を持っており、新帝はこの先代からの忠臣に元帥号を与えようとしたが、固持して政界を退く。

皇帝コルネリアスI世
皇族

銀河帝国の第24代皇帝。先帝の養子。ミュンツァーを用い、充実した治績を挙げる。更には先帝の偉業を越えようと、「ダゴンの報復戦」を決意。建前として同盟に三度の使者を送るが、結局は親征という形で同盟領になだれ込んだ。中々に優秀な戦略眼の持ち主だったため万全を期してこれに臨み、二度も同盟軍を撃砕したが、あと一歩というところで宮廷クーデターを知って帝都へと舞い戻っている。全人類の君主という座に就き損ね、彼の無念やどれ程であったろう。ちなみに彼は「やたら元帥号を乱発する皇帝」としても知られ、「皇帝の率いるは元帥二個小隊」などとからかわれたこともあった。後の年表では「元帥量産帝」。

皇帝マンフレートI世
皇族

銀河帝国の第25代皇帝。先帝の子と思われる。これといった記述なし。

皇帝ヘルムート
皇族

銀河帝国の第26代皇帝。先帝の子と思われる。これといった記述なし。数多くの庶子を持ち、その中の一人が皇帝マンフレートII世として後を継いだ。

皇帝マンフレートII世
皇族

銀河帝国の第27代皇帝。宮廷闘争の果ての暗殺から逃れるため、幼少時を同盟で過ごした。そのため年表では「亡命帝」と呼ばれる。後に帰還、即位後は同盟との平和外交や国内の政治改革が成るかと思われていたが、一年足らずで暗殺されてしまった。保守派貴族の差し金とも、フェザーンが既得権を守るため動いたとも言われ、また総大主教は地球教の動きによるもの語っているが、真相は今もって謎。庶子多い先帝の中で、なぜ彼のような遠い人間が帝位に選ばれたのかも同様に謎である。彼が生存していれば、宇宙の統一は一世紀から早まったかも知れない。

バルドゥング提督
軍幹部・高級将校

猛将として知られる提督。マカドゥー大佐の策謀によって捕虜となる。航法士官を買収され、迷い込んだ同盟領での悲劇であった。捕虜交換式の直前に死亡、死因は事故とも自殺とも伝えられる。

テレマン提督
軍幹部・高級将校

兵士たちの叛乱に遭った提督。帝国史上の中でも、一際大きな不祥事として数えられる。

皇帝ウィルヘルムI世
皇族

銀河帝国の第28代皇帝。亡命帝の息子が保守派貴族たちの中で生きていけるとも思えないので、先帝の子ではないだろう。これといった記述なし。

皇帝ウィルヘルムII世
皇族

銀河帝国の第29代皇帝。先帝の子と思われる。これといった記述なし。次男・アルベルトの失踪後、病没した。

皇后コンスタンツェ
皇后・寵姫

ウィルヘルムII世の后。嫡男・コルネリアスを生むが、寵姫ドロテーアの子の存在を恐れて謀殺したと囁かれる。皇帝とドロテーアの死後、彼女もまた熱病で狂死した。

ドロテーア
皇后・寵姫

ウィルヘルムII世の寵姫。アルベルトを生むが、その子は地下迷路に入り込んで行方不明に。一説によれば、皇后に害されるのを恐れたドロテーアが息子を同盟へと亡命させたのだという。皇后の実子・コルネリアスが次代の皇帝となった直後、毒殺の徴候を現して死亡した。

アルベルト大公
皇族

ウィルヘルムII世の次男で、ドロテーアとの間に生まれる。侍従武官と地下迷路に入り込み、行方不明となった。同盟に逃れたとも、皇后に謀殺されたとも囁かれるが真相は不明。

ミヒェールゼン提督
軍幹部・高級将校

442年、何者かの陰謀により艦橋にて暗殺される。ミヒャールゼンとは別人。

皇帝コルネリアスII世
皇族

銀河帝国の第30代皇帝。先帝の子。これといった記述なし。

詐欺師アルベルト大公
皇族

自らを、かつて失踪したアルベルトだと名乗る男。そもそもアルベルトは先々帝ウィルヘルム II世の長男・コルネリアスII世の腹違いの弟であっただけに、病床の現帝が死ねば彼が帝位に就くこともできる。「母が弟を殺した」と信じていた皇帝と涙の対面まで果たし、誰もがこの男を次代の皇帝と予想したが、散々空手形を出した後、可憐な侍女と多くの宝石を抱えていずこかへと逃亡してしまった。これにより彼の名は、永久に「詐欺師」の代名詞として刻まれることとなる。しかし一説によれば実は彼こそが本物のアルベルトであったともいわれ、これが本当なら大公は二度消えた。

ヴィレンシュタイン公爵
貴族

コルネリアスII世か、オトフリートIII世時代あたりと思しき貴族。帝国に対して叛乱を起こし、鎮圧される。彼の財産は立派な財務省官吏によって差し押さえられ、兵士たちに略奪されることはなかった。しかしこの貴族は三桁にのぼる愛妾を持つ艶福家だったため、彼女たちは兵士たちに襲われるままとなってしまう。

皇帝オトフリートIII世
皇族

銀河帝国の第31代皇帝。皇太子時代は有能な男で、帝国軍三長官を兼任。宰相までやってのけたが、長じて皇帝となってからは猜疑心のみが肥大して、四度の皇后と、五度の帝位継承者を替えた。毒殺を恐れる余り食事まで控え、40代半ばで衰弱死する。

皇帝ゲオルクII世
皇族

銀河帝国の実在しない皇帝。ランズベルクの五代前の先祖が勅命を受け、帝国博物学協会の地下倉庫から始まる地下通路を作り上げた。この功績から伯爵は寵姫の一人を下賜され、更に「後の皇帝に危機が訪れたときには、この通路を使い救出せよ」との命令を受けたという。……のだが、実在しない皇帝ではどうにもしようがない。「皇帝も逃げる必要がある」というあたり、宮廷内の不穏な空気を察してオトフリートIII世の後に放り込んでみました。

皇帝エルウィン・ヨーゼフI世
皇族

銀河帝国の第32代皇帝。先帝の子と思われる。これといった記述なし。

皇帝オトフリートIV世
皇族

銀河帝国の第33代皇帝。「強精帝」と呼ばれる程の女好きで、政治はおろか狩猟も酒宴もろくに行なわなかった。後宮には一万人以上の美女が揃っていたが、即位後5年で頓死。下手したら腹上死。それでもなお、五千人以上が処女のまま残されていたという。

エドマンド・フォン・ゾンネンフェルス元帥
軍幹部・高級将校

オトフリートIV時代の提督。結婚運悪く、三度結婚して三度とも妻に先立たれた。そして遂には彼自身も40代で死亡、ただ彼の驚くべき不運は、それら妻たち全てがオトフリートIV世の娘であったことにある。ちなみに爵位は伯爵。

ブルッフ提督
軍幹部・高級将校

オトフリートIV時代の提督。ゾンネンフェルスの友人。彼の死を受けて「ゾンネンフェルスは皇帝のため、才能・財産・精力の全てを吸い上げられて死んだ」と評する。当然のことながらこれは舌禍にあたり、軍を追われた。

メーレン少将
軍幹部・高級将校

オトフリートIV世から、V世にかけてと思われる提督。基地とするため、惑星ジンスラーケンの地下に数十メートルに渡りトンネルを掘った。しかし余りに派手にやらかしたため地盤が陥没。400人以上が犠牲となるも、この無計画な土木工事の指揮をとった彼は軍法会議で無罪となった。ところが一年後、これを恨んだ下士官に射殺され、その男もまた自殺を遂げている。「一時的に建築された軍事施設が半恒久的な存在となった例」として紹介された。

皇帝オットー・ハインツII世
皇族

銀河帝国の第34代皇帝。先帝の子と思われる。これといった記述なし。宮廷の何者かが第33代オトフリートIV世の乱行ぶりを利用し、その庶子たちを貴族相手に高値で売り付けたのは、何とも巧みな財政術である。

皇帝オトフリートV世
皇族

銀河帝国の第35代皇帝。臣下にイゼルローン要塞の建設を命じた。金銭面で堅実というよりもケチ、守銭奴の領域であり、統治者の責任からよりも半ば趣味で貯め込んでいたらしい。自分を殺そうと謀った息子、兄弟を陥れようと謀った息子に無念を感じたせいか、それらを粛清したのち心臓病で死亡。その枕元には、一番出来の悪い息子しかいなかった。

皇帝ルードヴィヒIII世
皇族

銀河帝国の実在しない皇帝。最終皇帝・カザリンケートヘンの祖父。この赤ん坊を担ぎ出す際にオーベルシュタインが口にした名前だが、そもそもルードヴィヒという名前の皇帝はいない。当時オトフリートV世を皇帝と認めない勢力があったのか、或いは即位を間近にしてにクレメンツ大公が「いつかルードヴィヒIII世名乗ったんねん」と語っていたのか、それとも古代ローマ帝国にあった、ロイエンタールがミッターマイヤーを懐柔するとき示唆した「正帝・副帝」が旧王朝に存在していたのか、オーベルシュタインと一緒になって作者が寝惚けていたのか不明だが、個人的な解釈としては「先々帝、」で一回区切って、これは第36代フリードリヒIV世のこと。彼の息子がルードヴィヒで、これを「ルードヴィヒIII世」として、その孫が最終皇帝なのではないかと考えている(お早いな、ペクニッツ子爵)。

リヒャルト大公
皇族

オトフリートV世の長男。後の第36代フリードリヒIV世の兄。廷臣たちによってクレメンツと争わされ、父帝・オトフリートV世の弑逆を謀ったとの濡れ衣を着せられた。死を賜り、廷臣60人と共に歴史から消える。

クレメンツ大公
皇族

オトフリートV世の三男。後の第36代フリードリヒIV世の弟。冤罪事件を起こし兄・リヒャルトを除いた。新皇太子となる彼だったが、結局は真相が明るみに出て、彼の廷臣170名は死罪。自身は同盟への亡命を図るが、「偶然の事故」によって命を落とす。兄・クレメンツとは大分歳が離れていたようだ。

セバスティアン・フォン・リューデリッツ伯爵
軍幹部・高級将校

オトフリートV世の重臣。皇帝の命ぜられ、イゼルローン要塞建設の指揮をとる。土木・補給関係では強い将校だったが、極端なまでの理論家なため咄嗟の応用が利かず「戦えば必ず負ける」と笑われ、彼自身「同盟軍は用兵理論を知らない」などと何かを棚上げして敵を罵っている。ケチで知られる皇帝の命令により、建設費超過の責任を問われて自殺した。

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