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旧銀河帝国/末期帝室

皇帝フリードリヒIV世
皇族

銀河帝国の第36代皇帝。先帝の次男として生まれ、兄と弟が共倒れになったことで偶然帝位に就く。以前は父からも見捨てられ、飲み屋のツケも払えない程のボンクラ大公だったが、その志の低さがリヒテンラーデの専横を許し、果てにはラインハルトの簒奪を許す結果となった。しかし十年前に皇后を亡くして以来どこか悟ったような雰囲気を持つようになり、覇気溢れるラインハルトを前に彼を試すような言動を続けている。若年は酒と女漁りにのみ、晩年は薔薇の世話にのみ趣味を持ち、帝室や国家すら「滅びるならせいぜい華麗に滅びるがよい」とまで言ってのける「ある意味」ビッグな皇帝だった。嫡男・ルードヴィヒやベーネミュンデの子を失ったことが彼をその心境へと追い込んだのか、寵姫アンネローゼの弟を想う心に動かされてのことなのか、ラインハルトには敢えて権力を与え続けていたような節があり、次帝を定めずの死も、乱世来るを望んでの事としか思えない。事実上ゴールデンバウム王朝最後の皇帝は、凡君ではあったが凡人ではなかったようだ。多くの子供を為しながら、門閥両巨頭の関係者以外全員死亡しているのは気味が悪い。

「どうせ予もすぐに参る。まだ充分に美しい姿で待っているがよい、シュザンナ……」

シュザンナ・フォン・ベーネミュンデ侯爵夫人
貴族

フリードリヒIV世の寵姫。子爵家の娘。かつては皇帝のお気に入りとして子まで成したが、それがブラウンシュバイクの差し金によって殺されると、アンネローゼの出現によって地位まで追われることに。幼くして後宮に収められたため世間を知らず、鬱憤晴らしの唯一の方法としてアンネローゼ殺害を決意。グレーザーやヘルダー、クルムバッハや黒マントの男を使ってその手筈を整えた。ラインハルトからは蛇夫人、チシャ夫人と罵られる。しかし事態の大きさに恐れをなした腹心に裏切られると (ちなみにアニメ版ではこの役どころをフレーゲルが負っている。子供殺しの甥っ子の口車に乗るかフツー ?)、キルヒアイス一行によって阻まれた。全てが明るみに曝され、皇帝もやむなく彼女に死を与えている。宮中の要人たちが見守る中、ブラウンシュバイクやラインハルトへの悪口を連ねたあげく毒を飲まされ死亡。かつてはその美貌と清楚さを桜草にすらたとえられた彼女だったが、その往生際は醜悪の一言だろう。しかし彼女の悲しみを知るアンネローゼは、自分を殺そうとした彼女を許すようラインハルトに願っていた。

フォルゲン伯爵
貴族

フォルゲン伯爵家の当主。同家の長男。ハルテンベルクを通じて弟・カールマチアスの犯罪を知り、彼を社会的に抹殺せんと軍部に圧力を掛けた。

カール・マチアス・フォン・フォルゲン伯爵
貴族

フォルゲン伯爵の四男。准将の位を持つ。貴族の師弟だけが通う大学を七年掛かりで卒業後、デスクワーク専門の軍官僚となった。パーティでエリザベートと知り合い、両家の反対を押し切り結婚。しかし前線基地の主計官にされ装甲服を着て戦うが、ローゼンリッターによって倒された。生前は軍務省への出勤も怠りがちで、趣味の乗馬とビリヤード以外ものの役に立つことは何一つできなかったという。エリザベートとの愛情さえも当初は見せ掛けのものでしかなく、しかし本気になったとて養う術もない。遂にはサイオキシン麻薬の密売に手を出し、これを知った両家から軍部に圧力が掛かり、密かに前線に送られてしまったのだという。

マグダレーナ・フォン・ヴェストパーレ男爵夫人
貴族

ヴェストパーレ男爵家の当主。宮中にあっては数少ないアンネローゼの友人。ラインハルトからも頼られているが、キルヒアイスは彼女を苦手としているようだ。多くのパーティに顔を出してはイケ好かない貴族を罵ったり、ルドルフの肖像の「モチーフ」のほうにケチを付けたりと、革新的な言動で周囲と読者を驚かせた。アンネローゼたちのみならずヒルダとも親交があり、新しい時代にはそれこそ軍人として活躍するのかと思いきや早々に表舞台から退き、結局以降の登場は無かった。どうやら七人の芸術家のパトローネ (兼ねる愛人)をしているらしく、そっちのほうが忙しくなったものと想像される。「今になって思うと何だったんだろう」の代表。ちなみに「歩く博物館」と呼ばれる彼女の展示場には、建築家、画家、詩人、彫刻家、作曲家兼ピアニスト、劇作家、陶芸家が飾られて、うち一人はメックリンガーとする説もあるが、逆に有名過ぎて一線を画されているという説もある。どうでもいいが、時々ベーネミュンデとどっちがどっちだか判らなくなるのは俺だけだろうか。

ハインリッヒ・フォン・キュンメル男爵
貴族

キュンメル男爵家の第20代目当主。ルドルフ大帝の御世から地位も資産もほとんど変動していないという無難な家系。ヒルダとは従弟にあたり、幼い頃から彼女を姉代わりに考える。先天性代謝異常という病気のため寝たきり生活を送り、故に様々な分野で名を為した人物を尊敬。現代におけるそれはメックリンガーと考え、ヒルダとのコネで彼と引き合わされたことを喜んだ。ただメックリンガーが違和感にある通り彼は「自分の無力さ」を動物を飼うなどの代償行為で補おうとは考えず、自ら立ってラインハルト殺害を決意して、「死ぬ前にどんな愚かでバカなことでもいいから何かをやって死のう」と考え実行に移してしまった。彼の行幸を請い、人質とするも結局失敗に終わる。直後、命燃え尽きた。ちなみに背後には地球教の陰謀があったといわれ、この摘発にはケスラーがあたっている。そもそも彼の命は平民であれば既に無いもので、マリーンドルフ伯爵に少しでも野心があれば家すらも乗っ取られていたことだろう。病は悲運だが、乱暴に過ぎて周囲への配慮が足りなかった点はやはり所詮「貴族」と言わざるを得ない。

「キュンメル男爵家は僕の代で終わる。僕の病気からではなく、僕の愚かさによってだ」

エルフリーデ・フォン・コールラウシュ
貴族

リヒテンラーデの姪と甥の娘。公爵をはじめ一族を処刑された事を恨み、拘禁を指揮したロイエンタールを襲った。しかしこれが阻まれると逆に彼とベッドを共にして、遷都の際も彼と同行。子供まで産んでいた。何だコイツ?――とにかく終始ミステリアスな行動を続け、ブルックドルフにロイエンタールの叛意を触れると、姿を隠してドミニクの元で赤ん坊を育てている。更にロイエンタール最期の日には彼を訪ね、その子をハインリヒに預けていずこかへと消えた。以降の消息は不明である。ロイエンタールはその美しい手に憎き母親を見ていた。

シャフハウゼン子爵
貴族

シャフハウゼン子爵家の当主。突然変異的に善良な貴族。平民のドロテーアを妻に迎えるため、宮内省や典礼省に少なからず謝礼金や工作費を注ぎ込んだ。このため家の資金は半減するが、ほとんど宮廷には出入りせず、薬用植物の研究と旅行記の読書にのみ興味を持つ。口に出してアンネローゼをかばったことはないが、一度として妻と彼女の交流を拒んだことはない。桃色葡萄酒のプレゼントをはじめ、様々な交流があるようだ。

ドロテーア・フォン・シャフハウゼン子爵夫人
貴族

シャフハウゼン子爵の妻。善良で親切な気質を持つ平民出身の夫人。ふくよかでどこか鈍そう、決して美人さんではないが、控え目でアンネローゼをとても気遣っていた。決闘に関する一件でも、ヴェストパーレの勧めが無ければラインハルトを頼る事は無かったろう。

ルードヴィヒ大公
貴族

フリードリヒIV世の長男。数多くいた皇太子の中で唯一成人を果たすが、既に死亡している。その息子・エルウィンヨーゼフII世が帝位に就いた。

皇帝エルウィン・ヨーゼフII世
皇族

銀河帝国の第37代皇帝。故・ルードヴィヒ大公の子で、先帝の孫。ブラウンシュバイク・リッテンハイム両巨頭の外戚から帝室を守るため、リヒテンラーデとラインハルトによって擁立された。尤も後者は傀儡とするためであり、決して忠義に基づいてのことではない。事実リヒテンラーデ処刑後はこの新帝を蔑ろにし、フェザーンの陰謀にされるがままとした。正統政府の神輿とされてからも一切表には出ず、レムシャイドの死後はランズベルクに匿われ逃亡。彼の書記によると「栄養失調で衰弱死」したことになっており、ミイラ化した死体も同時に見つかったが、実はあれは死体置き場から拾ってきた全く知らない子供の遺体らしい。本物の行方は不明だが、恐らくはルビンスキー一味が関係しているものと思われる。とにかくシツケのされていない悪ガキで、ぬいぐるみを千切ったり侍従を引っ掻いたりと暴れ放題。35代前から言われ続けてきたこと(?)だが、ルドルフの威光やどこいった。

ボーデンドルフ伯爵夫人
貴族

カザリンケートヘンの叔母。カザリンケートヘン退位後の、身分の安堵に関しては不明。

ユルゲン・オファー・フォン・ペクニッツ子爵
貴族

第38代皇帝・カザリンケートヘンの父。先々帝ルードヴィヒ III世の第三皇女の旦那。ボーデンドルフ伯爵夫人の姪の息子。象牙細工のコレクション以外に何の興味も持たず、リップシュタットにも不参加。その故あって、生後八ヵ月の娘が最終皇帝に選ばれた。趣味が高じて借金まで背負い、商人から民事訴訟まで起こされている。これは宮内省の予備費によって肩代わりされるが、ラインハルトの即位に伴い娘の退位宣言にサインして歴史の表舞台から消えた。ハンカチで必死に汗を拭う姿が印象深い。

皇帝カザリン・ケートヘンI世
皇族

銀河帝国の第38代皇帝。先々帝ルードヴィヒIII世の娘。生後八ヵ月で帝位に就くが、所詮はローエングラム新王朝設立までの繋ぎに過ぎない。彼女の即位に際し、青年宰相は語る。「その赤ん坊に玉座をくれてやる。子供のおもちゃとしては面白みに欠けるが、宇宙に一人ぐらいそういう赤ん坊がいてもいい。二人は多過ぎるが」と。バーミリオン後のラインハルト即位に伴い廃され、その後の行方は不明ながらもペクニッツ家は公爵として安堵されている。

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