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自由惑星同盟／第13艦隊／ローゼンリッター連隊

オットー・フランク・フォン・ヴァーンシャッフェ大佐

ヴァンフリート時の第12代ローゼンリッター連隊長。帝国軍の侵攻に対して地上偵察を試みた。かつては戦闘経験も豊かで、部下に対しても気前良く、人望も備えていたが、最高の地位に就いて以来人が変わってしまう。部下に対しては尊大に、軍上層部には腰を屈め、政治家や財界人と交際を深めるようになったというが、シェーンコップは「地位の向上と権限の拡大に耐えるだけの精神的な骨格を持ち合わせていなかっただけ」と認識していた。帝国においては代々の武門であったらしいが、その帝国軍の攻撃によって負傷。手術に耐える体力も失い、死亡した。

ワルター・フォン・シェーンコップ中将

イゼルローン要塞の防御指揮官にして、第13代ローゼンリッター連隊長。帝国貴族に生まれながらも幼少期に同盟へと亡命、士官学校への試験もパスするが校則を嫌って入学せず、ランクを落として軍専科学校を選んだ。卒業後は武勲を重ね、更に推薦と養成所での努力もあって下士官から士官への狭い関門をクリアすると、またそれからも武勲あって、ヴァンフリートまでに中佐という大出世を遂げた。私生活ではそのワイルドな魅力によって薔薇色状態だったが、後半では青年期に忘れてきた娘・カリンという存在と向き合うことに。裏切り者・リューネブルクを討ち連隊長になって暫く、トリューニヒト派の将校と悶着を起こしたところをヤンに認められ艦隊にスカウトされて、イゼルローン攻略を果たしてからは、防御指揮官として要塞の重鎮となった。更に第２次ガイエスブルグ、シャンプール鎮圧、トリスタン強襲と功績を重ね、ヤン退役後も政府の陰謀に逸早く直感。アッテンボローと共にそれを暴くと、ヤンを抱えて再び任務に就いている。しかしヤン暗殺の際には一歩遅れで間に合わず、無念に肩を震わせていた。その後もユリアンを支え要塞の裏番であり続ける彼だったが、シヴァにおいてはブリュンヒルトに強制接舷すると、ユリアンの盾となり一兵卒のトマホークに倒れる。享年37歳。二度の祖国喪失の末、孫の顔すら見れず逝った。とにかくと白兵戦において彼に勝る者はなかったが、ヤンの幕僚としては彼のけしかけ役としても活躍、事あるごと「独裁者ヤンウェンリー」になることを勧めていたが、そのいずれもが軍人としてのヤンの矛盾を指摘するに留まっている。あるいは、それをすることでシェーンコップは「主君」ヤンの器量の限界を測っていたのかも知れない。ちなみに劇中ではしきりに彼の「部下としての使いにくさ」が強調され、上層部は「逆亡命」などより彼の「クーデター」をこそ恐怖してたらしいが、それすらもレベロ政権下において半分現実のものとしていた。リューネブルク決戦時の艦艇はケイロンIII（?）、ブリュンヒルト突入時のそれはイストリア。

「生き延びろよ、ブルームハルト。そしていい女に巡り逢え。
生き延びるべき、これほど重大な理由は多分他にないからな」
「敬礼しろーッ！ ともかくかつては俺たちの指揮官だった男だ。勇敢で有能だった」
「……敵襲だよ」
「私なら一個中隊です」
「冗談で他人に銃口を向けちゃいけないと教わらなかったか?……俺はいいんだ、いつも本気だから」
「見上げた努力だ」
「敵もどうして、打つ手が早い！」
「それもまた、お前さんの言う通りだがね」
「場合によっては力ずくでね !!」
「ピクニックってヤツは、もっと真面目にやるものだ」
「愛してもいない女を抱くには、人生は短過ぎるだろうな」
「安んじて、お任せあれ！」
「ユリアンを連れて行ったらどっちが随員だか判らなくなるからだろう」
「感心などしてやらんがねッ !!」
「口数が多いのは未熟の現れだ……」
「ローゼンリッターは排他的な集団でな。ヨソ者は別の場所で幸運をみつけて欲しいとさ !!」
「負債を返すときが来たようだな……」
「いい眺めだ……何かを見上げて死ぬのは趣味じゃない」

カスパー・リンツ大佐

シェーンコップ昇格後の、第14代ローゼンリッター連隊長。陸戦では連隊長に次ぐ実力を持っていたが、将官となった後も戦いたがるシェーンコップのため、リーダーとして独り立ちする事は結局無かった。芸術方面に長け、画家志望だった事からシェーンコップも彼の視覚的記憶力には信頼が厚く、また連隊一の歌い手としても知られている。熱い気質の持ち主で、バーミリオン後の会議では「ヤン提督がいらっしゃる限りローゼンリッター連隊は貴方に忠誠を誓うものです」と叫んで軍閥化を笑われていた。彼最期の戦いはシヴァで、ブリュンヒルト艦内で大立ち回りを演じた挙句倒れ込むが、原作ではミッターマイヤーの停戦命令により戦死を免れている（yukariさんのメールにより訂正。死んだと思ってたけど、死んでなかったらしい）。ちなみにヤン亡き後の体制に「イゼルローン共和政府」の名を付けたのも彼で、豪奢な権力者を頂く帝国からの亡命者らしく、装飾過剰の滑稽さを肌で感じていたのかも知れない。

「されば歌わん君がため……」
「この上ない大舞台だ。後世に残る、慕いの山を築いてやろうぜ！」
「最後に使った絵の具は、赤か……」

ライナー・ブルームハルト中佐

リンツ昇格後の、ローゼンリッター副連隊長。若さに溢れた戦士で、シェーンコップからも信頼は厚い。リューネブルクと戦った際などは「今はまだお前では奴に勝てない」とたしなめられるが、幾多の戦場を生き抜くうちに「ハッタリだけで勝てるようになれば一人前」とその実力を認められた。精神的にはピュアに過ぎる青年で、女性関係に雄を誇る連隊長に対して女性を知らないらしい。その後そっち関係でイイ人を見付けたのかどうかは不明だが、レダIIに地球教徒が乱入した際、ヤンをかばって死亡している。シェーンコップは彼の死に涙を堪え、またユリアンとの今生の別れ際にも「あれは幾らヤンでもドジが過ぎた」と、この弟子にも等しい青年の死を心底惜しんでいた。ちなみに帝国時代に不平屋の祖父が共和主義者の嫌疑を掛けられ、拷問の挙げ句殺されていて、亡命後は「恩で返せないから仇で返す」つもりで軍に入ったのだという。ヴァンフリートでは運転の腕も披露するが、非常時だっただけに余り上手では無かったようだ。装甲車はきまぐれヨハン。

「難なら貴様ら自身の血で、我々が代筆してやってもいいぞ !!」
「あの人は……要領が悪いですからね……」
「あの人が生きてないと、これからさき面白くないですからね……」

???・フォン・ブラウン副隊長

事務所公認同人誌の中に登場する、シェーンコップの死後に副隊長となったローゼンリッター。休暇中のリンツを迎えに参上する。ちなみに料理上手な奥さんがいるらしい。

カール・フォン・デア・デッケン中尉

【ちょっと待ってね】
・ヴァーンシャッフェの追跡に際しては、運転手を担う。
・体格は大柄で、性格は温和。大酒飲み。
・レーザー・ビームで誘導線を切断する程の射撃の腕を持つ。
・五年間に毎年一階級ずつ昇進。
・食後に一拝する礼儀正しさを持つ。