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自由惑星同盟／第13艦隊／イゼルローン空戦隊

オリビエ・ポプラン中佐

ヒューベリオンに4人いる、空戦隊エースの一人。ハートマークを冠する。苦労ある青春時代を送り、長じて軍隊に志願。空戦において多大な武勲を挙げ、個人戦では歴史に残る戦果を、団体戦では彼が考案した三位一体の戦闘方法により、新兵ばかりのヤン艦隊にあって異常な程の功績を挙げた。しかし素行に関しては超のつく不良で、とにかく喧嘩っ速さだけは艦隊一。問題を起こすこと一度ならず、「フライングボールの反則王」として部隊内外にその勇名を知られた。また私生活においては「レディ・キラーのポプラン」と評される程シェーンコップと並んで女好き。「きらきら星から愛を教えるために来た高等生物」を自称するだけあって、毎夜毎夜女性たちに愛を説いて周ることは欠かさない。ちなみに若者たちの相談役としても人望があり、生真面目ユリアンのみならず、ハスッパなカリンまでもその影響下に置くほど。トラブルメーカーというよりもトラブル好きなタイプで、シャーウッドの森への自主的参加やそれに連なる地球教本部への潜入などは、彼の本質を大きく現していた。作者によればビッテンフェルトと同じく「死ぬ筈の人物」だったらしいが、そのバイタリティーで動乱の時代を乗り切り、戦後はフェザーンに残っている。

「俺に対抗する気か?半世紀ばかり早いと思うがね！」
「急に忙しくなりやがった！ 超過勤務は俺の主義に反するんだがなあ」
「その話、乗った !!」
「青春の苦悩ってヤツの、俺は、歩く博物館なんだぜ」
「不愉快だなあ、どうも……」
「墓石と仲直りしたって意味はあるまい？」
「死ぬのが怖くて生きていられるかッ !!」

イワン・コーネフ少佐

ヒューベリオンに4人いる、空戦隊エースの一人。クラブマークを冠する。シェイクリ、ヒューズの死後はポプランと並んでイゼルローン空戦隊の飛車角として知られ、第二空戦隊の指揮官として名を馳せる。かすかな弱みはあるもののポプランとほぼ互角の腕を持ち、二人の関係はライバルや競争相手というより良く言って「相方」、 「オーベルシュタインか」と皮肉られる程の正論家ぶりは、ポプランのペースを崩せる数少ない切り札として印象付けられた。普段は物静かで穏やか、クロスワードパズルを趣味にする平和な青年だが、あのレディ・キラーと組むと化学変化を起こすらしい。その毒舌ぶりは紛れもなくヤン・ファミリーの一員を感じさせるが、バーミリオンで巡航艦の砲撃を喰らい戦死してしまった。

「この戦いはヤバイ！ 今は生きて帰ることを考えよう !!」

サレ・アジズ・シェイクリ中尉

ヒューベリオンに4人いる、空戦隊エースの一人。ダイヤマークを冠する。イゼルローン空戦所属。帝国領侵攻において、撃墜王・ケンプの策によって消滅させられた。ヒューズと同じ手でしてやられ、生き残ったのはポプランとコーネフだけだった。ちなみに酒は飲めない。

ウォーレン・ヒューズ中尉

ヒューベリオンに4人いる、空戦隊エースの一人。スペードマークを冠する。帝国領侵攻でも他の三人と共に出撃するが、撃墜王・ケンプの策によって翻弄されて苦戦。彼らの反包囲を抜け出したところを戦艦の副砲によって消滅させられた。

コールドウェル大尉

コーネフ戦隊の副隊長。リーダーを失った後、疲労と二人連れでポプランの前に現れる。彼に自らがコーネフの隊長代行たることを伝えた。やつあたりで、ウィスキーの小瓶を投げ付けられる一幕も。ポプランの地球行きに際して、指揮官としての独り立ちを求められた。

モランビル大尉

イゼルローン空戦隊のパイロット。バーミリオンにおいて、ホルスト率いるワルキューレに大ダメージを被る。悲痛な声で、ポプランに被害報告をおこなった。直後、戦死する。

ザムチェフスキー准尉

イゼルローン空戦隊のパイロット。バーミリオンにおいて、ホルスト率いるワルキューレに大ダメージを被る。隊長・モランビルが戦死したため、中隊での生き残りは彼一人となった。

カーテローゼ・フォン・クロイツェル伍長

ダヤンハーンでユリアンが出会った、空戦隊のパイロット。後半のヒロインともいうべき存在。ポプランからも才能を認められ、「第二のコーネフにはなれる」と紹介された。しかし実はシェーンコップの隠し子で（本人も存在を知らなかったらしい）、母を捨てた父を心底嫌悪。その憎しみの余波は周囲にまで及び、ユリアンの心を刺々しく突いた。そんな中これを「ヤン艦隊にそぐわない」としてたしなめたのは人生の師たるポプランで、この不真面目な先輩と真面目な指導者フレデリカは、艦隊で唯一このおてんば娘を押さえられる存在だった。その後はユリアンの努力に惹かれ心を開くと、ヤンの影を追いつつ軍を束ねる彼を熱心に補佐している。ちなみに伝来の疲労回復薬があるらしいが、その原料と製法は秘密らしい。

「カーテローゼ・フォン・クロイツェル、しゃきっとなさい !!」
（言ってやりなさいよユリアン !! じれったいわね !! ）
「それでも春になれば――鳥たちは帰ってくる――」