新機動戦記ガンダムW G-UNIT
MO-5事件
ボンボンだけでなくWeb上でも活躍される作家さんで、2作描かれたWの外伝はかなりメカのクオリティーが高い。素っ気ない原作のキャラクターに対し、氏の描かれるものがベタベタなのも狙い通りなのであろう。しかしこれは講談社側からの要求なのだろうが、『G』に『W』、『X』の果てに『∀』ばかりでなく『逆襲のシャア』と、アニメの誌上リメイクばかりを繰り返す、極端な話「無駄なこと」ばかりさせられているような気もする可哀相な方でもある。何を隠そう彼の真のパワーは、オリジナルストーリーを描いたときにこそ発揮されているのだから。ところでこれは余談だが、『∀』における氏の黒歴史解釈は、MS優先のいかにも「根っからのガンダム作家」という印象をうけた。同じ黒歴史を扱うにしても、歴代権力者の演説を主として描いた福井氏とは大きな違いである。
アディン・バーネット
「俺がキメるぜ」が口癖の熱血パイロット。両親をシャトル事故で亡くして以来、兄弟揃ってハーマンおじさんのご厄介になっている。兄に勝てない自分に憤り、PXの発動を望んでいる。ルシエとは「ハジメちゃんとミユキ」のような駆け引きを繰り返していた。ちょっとブラコンのきらいがあり、彼を慕うと同時に劣等感すら抱いている。こんなヒヨッ子がファーキルほどの名将軍を撃破するとは奇跡も奇跡ながら、戦後は機体を封印した。
アデル・バーネット(シルヴァ・クラウン)
アディンの実兄。弟そっくりの顔立ちだが、彼に比べて全然大人。彼の超えるべき存在として、長きに渡り立ち塞がった。ある日ペルゲ博士の野望を見抜き、それを承知で彼と結託。仮面を着けてOZプライスに寝返るもそれは芝居で、ヴァルダーのもとオペレーション・パンドラを発動すると、機を見計らってアディンに加勢した。トリシアとは許嫁の間柄で、戦後結ばれる。それにしても芝居掛かった実にウサン臭い兄貴であった。
アリサ・ウォーカー
ロッシュの背景薔薇によってメロメロ(?)にされている彼の副官の女性。シルヴァの命を受け、アディンにグリーツを届けにきた。しかし本当はロッシュの気配を感じたのかも知れない。彼とともにMO-5の一員として戦っていたが、戦後は二人いずこかへと消える。
ヴァルダー・ファーキル上級特佐
「破壊将軍」のあだ名を持つ、OZ最強の戦士。グランシャリオと共に、突如としてMO-5に出現した。シルヴァの作戦の真意を見抜くなど頭のほうもかなりキレ、将軍としても優秀な男である。故にOZのヘッドたるトレーズに対抗意識を持ち、自分と互角に戦えるのは彼のみと断言。しかしそのコンプレックスが裏目に出て、ロッシェがもたらした「トレーズ戦死」の報に動揺したところを、トドメはアディンによって刺された。あの一瞬の間がなければ彼は確実に殺されていただろう。
クラーツ・シェルビィ
星屑の三騎士のひとり。チェスの借りを理由に、MO-5攻撃の一番乗りを果たす。ルックスも上々、流し目とベル薔薇装束が良くマッチしていたが、いかんせん晩節を汚し過ぎた(キャラクターとして)。ロッシェを裏切りヴァルダーに着いたかと思えば最強のMS乗りを目指してPXシステムに狂い死に。正気を失ったままで最期のセリフは「さ、さむい……さむいよ……」。ダメダメである。
ソリス・アルモニア
ルーナの姉として、共にヴァルダーの下に仕える女性。キャラ・スーンそっくりの髪型とカラーリング、見開きのディフォルメはどことなく『カメレオン』のマツド苦愛リーダーを彷彿とさせる。アディンのガンダム乗りとしての甘さを笑い、シュイヴァン・シリーズを従えて出撃するも、味方であるはずのヴァルダーの砲撃によって死亡した。貧しい生まれの出で、そういう生き方しか許されない身の上であった。
ディック・ヒガサキ
面長不精髭、後ろ髪しばりの青年メカニックマン。しかしあまり壊してくるパイロットがいないので、彼の仕事は専らMSのチューンナップとなる。
トリシア・ファレル
MO-5は宇宙港のオペレーターを勤める、アデルのフィアンセ。おしとやかで品のある女性。アデル機爆発後も彼の生還を信じ続け、毅然として職務にあたっていた。オペレーション・パンドラの後、涙の再会を果たす。戦後結ばれた。
ブルム・ブロックス
「乗馬クラブの中に柔道部員がひとり」、そんな印象の星屑の三騎士の一員。ロウのシャトルを襲い、MO-5のMSに初めて切り込んだのが彼。セフィロスTicKに突如として現れたヴァルダーによって瞬殺される。見掛け通り、熱し易くキレ易い性格だった。
ペルゲ博士
MO-5でジェミナスの開発にあたる、雇われ技術者。しかし実はOZのスパイ兼全ての黒幕であり、多くの情報と共にコロニーから消えた。その後はファーキルと結託、父の死の真相を知ったアデルによって殺されるも、彼の執念はグランシャリオを突き動かし、そして地球へと引き込まれていく。
マーク・バーネット
アディン、アデルの父にして、ハーマンとも親友同士。十年前、MO-5に接近することを良しとしないペルゲによって、事故に見せ掛け謀殺される。彼の復讐の遺志は時を越え、アデルに引き継がれた。生前は「人々が自由に宇宙を行き来すること」を心から望む、大変志の高い人物であった。
ルーナ・アルモニア特尉
もしかしたらWのパイロットになっていたかも知れなかった少女。コロニー連合のエージェント候補生として育てられるも、姉・ソリスと共に脱落。その力はヴァルダーの下へと流れていった。コンテナ船でMO-5に漂流、スパイ活動を行うも、味方の砲撃であるグランノヴァによって姉妹揃って消される。実はこの時代からフラッシュシステムを使いこなしていた密かなニュータイプ。
ルシエ・アイズリー
アディンと仲良し(?)のジェミナス専任メカニックマン。オテンバな性格で、アディンには好意を抱いているが打ち明けられずにいる。MO-Vに紛れ込んできたルーナによって一時彼を奪われかけるも、彼女の死によって幸運にも(?)取り返した。彼の身を案じる反面、その我を通させるために無理を承知でPXレベルを上げたりもしている。コメントの半数がアディンに始まりアディンに暮れる、二人はきっと結ばれるでしょう。
ロウ・サーナン特士
真面目そうな雰囲気の、ニコル直属の青年特士。ニコルの命を受けてMO-5に赴くも、ブルムの攻撃でシャトルを損傷、宇宙でアディンに救われることに。OZの監視官でありながら、まるで客人のような態度で事態に臨み、そして市民に接した。戦後、彼は上官への報告に敢えて偽りを述べた。
ロガ・ハーマン
ハーマンインダストリの会長。MO-5の代表者。マーク・バーネットの親友にして、彼の死後はバーネット兄弟を引き取った。OZを信用し、ペルゲを使ってG-UNITを作り上げる。ベルゲといいレディアンといい、実に騙され易いオヤッサンであった。
ロッシェ・ナトゥーノ
OZプライズ代表にして、星屑の三騎士のひとり。アディンをB級パイロット、ヴァルダーをS級パイロットとすれば、彼は丁度中間。A級くらいの腕前を持つ。しかしそのマシュマー以上に徹底した騎士道精神はときに敵に塩を送るような事態をも招いていた。けれどもそこが彼のいいところ、負傷しMO-5に助けられてからはシルヴァを嫌い、彼らに寝返り、恐らくそれへの伏線だったのだろう、最終的には仲間となった。副官のアリサとイイ仲にあり、戦後は二人いずこかへと消える。
