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∀ガンダム

地球帰還作戦

レビュー

歴代ガンダムを「全肯定」した上で、新たなスタートを切るために製作された世紀末・新世紀ガンダム。どこか癒し系のような雰囲気が新しいが、また「発掘」という要素では往年のファンをも惹きつけていた。低視聴率ながらも作品の方針を貫かれた監督を評価されたい。ところがこれが文庫・新書版ともなると作風が一転。グエンと父とのドロドロした確執や、あのカテジナさながらに突如として裏切るキエル、月・地球帝国建設の野望に憑り付かれたグエンによるディアナとの結婚式など、3枚目サントラの小冊子にあるホノボノとした雰囲気とは、ネガカラー並に逆転している。こちら佐藤・福井両氏版のほうが富野作品らしいといえばそうだけど、なんか怖いよもう。ところでストーリーのほうだが、初代ガンダムから一万年経っても「地球VS宇宙」という構図は変わらない。しかしナノマシンの恩恵や人類皆コールドスリープが可能な月の民とは対称的に、地球は本能的に科学技術を進ませることを恐れ、正暦2300年を廻った今でもその水準は西暦にして19世紀前後のものだった。彼らは「地球への帰還」を望み迫り来る月の軍隊に対し、太古のMSを「発掘」することで抵抗するのだが……。果たして、ガンダム・サーガの最終章において、遂に人類は救われるのか?

ミリシャ

古代地球人の末裔。アメリア大陸の各領主が抱える軍隊がこのように呼ばれ、ガリア大陸の進出に対抗するため連携を強める。代表的なものにイングレッサ・ルジャーナがあり、ミハエル大佐・マリガン中佐がそれぞれ指揮を採る。前時代的な兵器が主流で、ディアナ・カウンターの攻撃には対処しきれなかった。地方によって領主と軍隊との関係性は異なる。

ムーンレィス

古代宇宙移民者の末裔。闘争を忌み嫌いながらも軍備には優れ、ディアナが地球帰還作戦の為に率いた市民軍ディアナ・カウンター、月の武門・ギンガナムが叛徒鎮圧のために率いた職業軍属ギンガナム艦隊とを有する。前者はディアナ不在をいいことにフィル少佐・ミラン執政官の手で乗っ取られ、後者は自らが叛徒と化しディアナに反抗するも、遂には撃滅された。内部はディアナ派・アグリッパ派・フィル派・ギンガナム派と麻のごとく乱れ、とてもではないが一枚岩とは言い難い。

ロラン・セアック

エース・ベテラン ムーンレィスの少年。性格は穏やかにして思いやりがあり、当然ながら無駄な戦いも嫌う。どうやら不幸な生まれのようで、行き場を無くした末の帰還民志願だったらしい。卒業後、尊敬する月の女王・ディアナよりキスの挨拶を受けると、帰還船にて地球へ降り立った。その際、感動して飛び込んだレッドリバーであろうことか溺れ、しかし助けられた縁からハイム家の奉公に入ることに。後に運転手として平和に暮らしていたところをディアナ・カウンターに襲われ、偶然にも∀ガンダムに乗り込む。以降はミリシャにもムーンレィスにも一方的に味方せぬ戦いを貫き、戦後はディアナと共に暮らした。彼に関しては是非とも新書版を読んで戴き、戦いの果てに彼が神に近づく瞬間を感じて欲しいと思います。
「地球はとてもいいところだ!!」

ディアナ・ソレル

政治家・指導者 月の女王。冷凍睡眠により千年もの時を生きるディアナ家の当主。コロニー・ミスルトゥで身を立てた偉大なる始祖をもち、その末裔である彼女も、民からの信望は厚い。ウィル・ゲイムとの出逢いから地球帰還を思い立って以来、その責任者となるが、ミリシャの抵抗やフィルの造反、本国におけるアグリッパの暗躍などに阻まれ、成し遂げられずにいる。降下ののち地球側と交渉、そのさなか自分と生き写しの少女・キエルと出会い、苦労を紛らすためのちょっとした遊びから完全に立場を入れ替えてしまった。それからは「キエル」として地球の民と接触するが、己が長年抱いてきた考えの浅はかさに一人自責の念にとらわれることに。地球帰還の計画修正に踏み切ったも束の間、アグリッパ派によって自由を奪われ、どうにかロランに救出されると、月へ戻りアグリッパを直接糾問。彼の死後に動き出したギンガナムをも地球に追うと、後にフィルとの和解も遂げ、月の民と自らの運命を拓いた。ギンガナムという敵を前に私兵集団ディアナ・カウンターを纏め上げ、遂には彼を撃破するに到る。戦後は地球に留まり、ロランと共にとある山小屋で暮らした。数度にわたり睡眠と蘇生を繰り返してきたため身体は大分弱っており、今回の蘇生を最後に生を全うする覚悟らしい。
「よしなに」

キエル・ハイム

一般市民・非戦闘員 月の女王・ディアナと瓜二つの容姿を持つ、ディランの長女。聡明にして気品があり、スタメンに子供が多い作品にあってはかなり大人びて観える。金髪の縦ロールが美しい。自立した性格で、炭坑の令嬢という生まれにもかかわらず「社会に出て働く」という行動的な面も見せていた。そこをグエン卿に観込まれ秘書に取り立てられるも、これが縁で大きな苦労を背負うことになる(ちなみに新書版ではグエンを慕うあまり、ディアナへの造反までやらかしている!!)。ボストニア城の一件からディアナと入れ替わり、反ディアナ派を大いに惑わせることになるのだが、行動を共にし、想いを寄せていたハリーからは「陛下の影武者に過ぎない」としか認識されておらず、寂しさも感じていたようだ。戦後は再びディアナと入れ替わり、ハリーと共に月へと向かう。実は案外キャラが立ってないように思うのは俺だけ?

ソシエ・ハイム

一般兵・パイロット おてんばで行動力旺盛な活動少女。ディランの次女で、姉・キエルと川遊びをしている最中にロランと出会う。のんきなお嬢様生活を送っていたが、ムーンレィスの攻撃により父を失うと、その仇討ちと称してミリシャに入隊。戦闘機のパイロットを経て、カプルに乗った。戦闘能力は決して高くなかったものの、ロランの支えもあり最終話まで前線で戦い、前線ではメシェーとコンビを組むことが多かった。ロランへ向ける感情は当初彼の秘密を追うだけの「興味」でしかなったが、幾多の戦いやギャバンとの婚約騒動を経ていつしか「愛」へと変わってゆく。それでもロランは、最終的に彼女ではなくディアナを選んでしまった。ラストシーンの叫びはなんて切ないんでしょ。ちなみに初回登場時はお下げの髪型だったが、いつの間にかショートのおかっぱになっていた。当サイト久川、おすすめの一人である。

「生きてる間くらい、笑ってなさいよ」

キース・レジェ

一般市民・非戦闘員 ロランと共に地球へと送り込まれた、三人の帰還民のうち一人。パン屋の見習いとして地球文化に解け込み、店主が負傷してからは、娘のベルレーヌと共に奮起。店を二人で切り盛りする。所有MSフラットを売ってまでも、パン屋であることにこだわり続け、梟雄グエンの誘いを利用するほどの逞しさも見せた。中立のままパンで戦争を生き抜こうと決め、あまつさえ、この立場を利用して地球にも月にも侵されない中立地帯を建設することさえ、彼のビジョンにはあったようだが、ムーンレィスを多数雇い入れたことで、工場の焼き討ちに遭っている(新書版)。戦後はベルレーヌと結婚、アニスばあちゃんに曾孫を見せることができた。
「いい奴なんですよ」

フラン・ドール

マスコミ ロランと共に地球へと送り込まれた、三人の帰還民のうち一人。地球文化への順応を目的として動かされているため、生活に関してはかなりの自由が許されており、印刷工を経て、いつかは一人前の新聞記者になろうとしている。しかし、戦争のせいでノックス・クロニクルは戦争宣伝の記事ばかりとなり、自分の書いた平和的な記事が載らないことや、捻じ曲がった戦争報道ばかりが許されていることに憤りを感じ、弱った彼女の心はジョゼフに惹かれた。二人は戦後結ばれ、一児をもうけることに。そののち彼女は再びカメラを持ち、一方ジョゼフのほうは、家庭に入り子供の面倒を見ている。この時代にあってはかなり前衛的な夫婦となった。外伝によるあきまん的解釈では、彼女はチャイドル出身らしい。

ハリー・オード大尉

隊長・実践指揮官 蜂をイメージさせる赤いゴーグルが特徴的な、ディアナ親衛隊の隊長。ディアナに絶対的な忠誠を誓い、それはいかなる事態に直面しても決して揺らぐことはない。普段がクールなのに反して、ディアナを貶されるとついキレてしまうようだ。戦闘においては金色のスモーに乗り、マヒローやターンXを相手に鬼神の如き強さを誇る。しかし平時においては穏やかで、歴代仮面キャラと比較しても物腰は柔らかい。ディアナとキエルの入れ替わり護衛やフィルとの抗争など、彼も結構な苦労人。そのうえ戦後はディアナではなくキエルを護衛することとなるとは、何と報われない人なのだろうか。せめて月では「まんざらでもない」仲のキエルと、仲良くやっていて欲しい。ちなみに彼の曽々祖父は、百二十年前のギンガナムの反乱に加担した咎で冷凍刑に処せられている。新書版ではその因果を引きずり、ディアナの理想を追うあまり、カイラス・ギリの地球照射という大罪を犯してしまった。
「……趣味か!!」

グエン・サード・ラインフォード

財界・企業要人 イングレッサの次期領主。優男の風体をしながら強い野心と狂気に満ちている、富野キャラの典型的なタイプ。黄金色の髪に褐色の肌のミスマッチがカッコイイ。ソレイユの降下以前からムーンレィスの存在を知っていた数少ない地球人の一人で、彼らの帰還を利用することで、産業革命を成し遂げようと画策していた。領地のミリシャの戦力増強もそれを企図してのことである。ところが突然のディアナ地球帰還と、予想以上に強力なムーンレィスの戦闘力というイレギュラーな事態を前に彼の野望は脆くも崩れ去り、地位も領地すらも失うことに。気質からそれでも挫けない彼は、リリ嬢と組んで月へ赴き、アグリッパと交渉を開始。ギンガナムと組むことで再び日の出を目差すが、ターンX敗北により、それも水泡に帰した。しぶとい性格だけに、メリーベルと旅に出ることで、きっと再々起を図っているのだろう。ちなみに祖父とは幼少期に異常な関係にあったらしく、ロランを「ローラ」と呼ぶのもそれに起因してのことらしい。
「ローラッ!!」

ミハエル・ゲルン大佐

中級司令官・艦長 イングレッサ・ミリシャの指揮官。革新的領主のグエンの下にあって、比較的自由の利いた軍人。良識派のフリをして意外と派手な動きをこなし、グエンの戦争不拡大方針に真っ向から逆らって見せた。しかし、没落するグエンが再起を果たすと、彼の可能性に賭けて付き従うようになる。グエンが狭量な陰謀家か気鋭の野心家かは評価の分かれるところだが、彼としては、後者である可能性に期待したのだろう。グエンとギンガナムの「野合」の際にも敢えてエスコート役を勤め、その誠意はウィルゲム墜落まで揺らぐことはなかった。「自分には企む頭も勇気もありません」という言葉は、今までの彼の生き方そのものを表しているような気がする。妻子持ちの35歳。口ひげのせいか、実際より老けて見える。ちなみにアニメ版では生き残った彼も、新書版ではカイラス・ギリの砲撃により吹き飛ばされている。

ジョセフ・ヨット

一般兵・パイロット ジャラピィ部隊のエースにして、ムーンレィス嫌いの急先鋒。アデスカはマバ族に生まれ、後にシドに見出され助手となった。やる気のない擦れた口調だが、実は隠れた熱血漢。ロランを見限りグエンを見捨て、∀を奪ってギンガナムと対峙した。フラットを駆りディアナ・カウンターと戦うも、下手気にいじって壊してしまうのを恐れ、色のみの改造に終始している。油すら点さなかった。その操縦を教えてくれたフランといい仲になり、子供にまで恵まれた。山師を辞め、魚屋を営んでいるという。ちなみに、新書版では登場していない。

シド・ムンザ

技術者・技術士官 このサイトの管理人と同じ、黒歴史バカ。グエンの命でマウンテンサイクルの発掘事業に力を尽くすが、彼の関心はただ古代文明の解明にのみあった。∀を「ヒゲ」と名付けたのも他ならぬ彼である。75歳の高齢にも拘わらず活動的で、思想の面での柔軟性にも優れていた。ジョゼフと共に穴掘りを進め、数々のMSを掘り出すことに成功、しかしグエンの野望に協力したことで、ことミランといったムーンレィスからは顰蹙をかっていた。戦後は相棒を変え、ポゥと共に枯野を駆け巡っている。

メシェー・クン

一般兵・パイロット 飛行機乗り家系の四代目。技術屋としても腕のいいラダラムを父に持ち、その伝手でミリシャに参加する。幼い雰囲気と垣根の無い性格からは想像できないが、実はちょっぴりお茶目な18歳、親友・ソシエの三つ上という、ビックリさ加減である。とにかくすばしっこい女の子で、捕虜にされたり逃げ出したり、逆に敵を捕虜にしたり、アルマジロで飛び出していったり、月でウァッド乗りの青年と知り合ってからは多少自重するようにもなったが、戦後は彼を家に招き、今日も父と空を飛び回っている。
「考えられないよ、そういうこと!!」

ギャバン・グーニー隊長

隊長・実践指揮官 ルジャーナ・ミリシャの精鋭「スエサイド部隊」の指揮官。額の十字傷とヤザン声が印象的。ロランに決闘を挑んだり、MS越しながらも核爆弾を無作為に掴んだりと荒々しい面ばかりが見えるが、ソシエに対しては帽子やドレスをプレゼントしたりと中々に繊細で、ちょっとロリ入ってる。立場上、リリには頭が上がらなかったが、部下からは強く慕われる優秀なリーダー。ロストマウンテンの戦いで、核爆発に巻き込まれ消息を絶った。旧ザクではどう考えても死んでいるのだが、生存説も多く、彼の生死に関しては義経・信長・アムロに次ぐ歴史のミステリー。

リリ・ボルジャーノ

財界・企業要人 ボルジャーノ公爵の娘。貴族生まれながらも行動的な性格で、見物人の立場ながら、自領のミリシャにまで参加している。戦線がイングレッサからルジャーナに移り、グエンが没落するや颯爽と登場、彼の再起に協力した。どうやら彼以上の政略眼を持っていたようで、裏切りに参加しなかったのもディアナへの義理だけでなく、グエンの一歩先を予見してのことのように思えてならない。白の宮殿の執政官のみならずアグリッパをも誑し込む美貌と領主の娘らしい巧みな外交術を有する。ちなみに新書版で彼女は既に死んでいて、ボルジャーノ公の娘への思いが「リリ・ボルジャーノ城」という名前を自分の住まいに付けさせたらしい。

コレン・ナンダー軍曹

特務兵・工作員 要注意人物。ディアナに忠実、義理や情に篤い戦士だが、それゆえ彼女の暗殺を企図した者たちを大虐殺、冷凍刑に処されていた。しかし恩赦という名目でアグリッパに地球へと送り込まれると、「ディアナ・カウンターを引っ掻き回す」という任務を無意識に遂行。精神錯乱を起こしたような彼ならばやってのけるかも知れなかったが、ロランに撃退されたショックで記憶を失う。黒歴史時代の生き残りという立場からガンダムという存在を強く憎み、白いMSをカギにいろんな所で暴れ回った。暫くは僧侶の格好で過ごしていたが、月光蝶の発するイオンの匂いに突き動かされて記憶を回復。その後はディアナ・カウンターに合流し、ギンガナム軍との激戦の末に散った。ゼクス説もあるが、カットインだけではこれは正直どうにも怪しい。
「ガ、ガ――ガンダムがぁーっ!!」

ポゥ・エイジ少尉

隊長・実践指揮官 ディアナ・カウンターの女性士官。極端な激情型で、キレ易く涙脆い。ピッタリと撫で付けたヘアスタイルが特徴。顔は、カブトムシの斎藤さんが住む木の大家さんに似ている。パイロットとして多種のMSを駆り、決して腕も悪くないのだが運だけは悪く、数度にわたり∀ガンダムに敗れるのだが、想いを寄せるフィルの温情により常に前線に留まり続けた。その他ハリーに口移しで薬を飲まされたり、文庫版においてはフィルと共にソレイユを追われて野生の生活を強いられたりと、苦労は絶えず、しかも新書版においては、登場すら許されていないという始末。ディアナ排斥後はフィルに従い、彼の「お前を女王にする」という言葉に希望を抱くが、ギンガナムを追って地球に舞い戻ったディアナの姿には感涙。以降はハリーと組んでギンガナム軍と交戦、戦後は地球に残り、シドと共に居る。どうやら隠れたファンも多いようだ。
「実戦経験者の強みというのを見せつけてやります!スモー1、ウォドム2の戦闘体形!」

フィル・アッカマン大尉〜大佐

軍幹部・高級将校 ディアナ・カウンターの司令官。後のサンベルト共和国元首。市民軍にありながらギンガナム軍さながらの武人の出で立ちをしており、団子のような髷を結っていた。アジ大佐の死後、実質的なディアナ・カウンターの指揮官となる。かつては女王の忠実な部下だったが、地球に降りたことで闘争本能が目覚めたのか、あるいは建国宣言の撤回に失望したのか、ミランと組んで造反。彼女をソレイユに拘束すると、自らを国家元首としてサンベルト共和国建国の演説をぶった(直後、瓦解する)。しかしその後はミラン以下座付き執政官の箴言や、自身の「能力以上に自分を見せたがる」性癖から、無駄な犠牲ばかりを増やし、戦火は拡大の一途を辿った。ギンガナムの反乱に際しては彼らと互角に戦い、再臨したディアナと合流。忠誠を誓っている。この段における対ギンガナム艦隊戦は、作品の思わぬ見せ場であろう。戦後は月に戻った。ちなみに文庫版では乗艦のソレイユをミリシャに奪われてポゥと共に野生の生活を営み、新書版ではハリーのカイラス・ギリによって撃破されていた。ポゥには気があるようで、彼女を女王に据えたかったらしい。
「サンベルト共和国!なんたる美しい響きッ!!」

ギム・ギンガナム総統

軍幹部・高級将校 守るべき主であるディアナを裏切った、武闘派代表。新書版においては、冷凍刑から蘇った犯罪者の扱いだ。激烈な性格で、リリ嬢のようなフワフワ頭に腰には日本刀。黒塗りのまぶたが恐ろしい武家の頭領である。反戦的な月にあって鼻ツマミ者である彼は、部下を率いて2500年ものあいだ月軌道上にて軍事演習を続けてきた。その戦力は一個艦隊にも及び、フラストレーションの塊りのような彼らは、主力兵器の能力同様に練度もモラルも決して高くはない。大将ギンガナム自身もどこか芝居掛かった戦い方をするため、余り実戦向きの集団ではないのだろう。後にディアナと対立、ターンXを駆ってグエンと共に地球を荒らすが、それは月光蝶をして世界を再びリセットせんがためのこと。故に政治も省みることなく戦線を広げるが、ロランとの文字通り「真剣勝負」に敗北。生きたまま繭に封じられた(新書版では、ザックトレーガーを舞台に大空中戦を演じ、∀にテレポーテーション能力まで使わせている)。ちなみに月の首都ゲンガナムは、彼の祖先がグラナダを増築して建てたものらしい。
「凄いよ――さすが∀のお兄さん!!」