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ガンダム・センチネル ALICEの懺悔

ペズンの反乱

レビュー

モデラーさんたちにとっては伝説的ながら、世間的な知名度はあまり高くない奇妙な作品。ノベライズされたストーリーうんぬんよりも、ムック化までされた数々の作例や、その時代を取り巻いた空気が、この作品のカリスマと敷居を無駄に高めている。ガンダム史上最もムサ苦しい作品であり、作中にはほとんど女性が登場せず、味方はみな揃ってドキュン青年、敵はといえば新撰組である。唯一登場するのは「女性のような」思考形態をとる人工知能ALICEのみであり、「硬派なガンダム」として、モデルグラフィックスの理想を地で行った作品といえよう。ちなみにストーリーの舞台はZとZZの中間期、ティターンズ寄りの訓練部隊「教導団」と正規軍との抗争である。

地球連邦(α任務部隊)

ヒースロウ少佐率いる、ニューディサイズ討伐部隊。彼らの他β・γ・δの三部隊が参加。実験的な高性能MSが多数配備されているが、ヤクザのなり損ないのような兵たちがその多くで、実力の面では不安が大きい。しかし奮戦の結果、辛うじて任務を達成した。

ニューディサイズ

小惑星基地ペズンに居を構える、地球至上主義の正規軍教導団。エゥーゴの戦勝により乗っ取られゆく政府の目を覚まさんと、必死の反抗を企てた。指揮官はブレイブ大尉。規模的には微々たるものだが士気も錬度も高く、志の高さに惹かれたエイノー艦隊をも糾合し一大勢力を築き上げるに到る。エアーズ市の戦いを経て壊滅、エイノー提督もまた地球にて降伏した。

リョウ・ルーツ少尉

一般兵・パイロット 軍隊に入ったのが「手に職つけるため」というドキュンな青年。決してパイロット志望ではなかったが、適性を認められて訓練学校に入学、しかし教官や同僚と衝突を起こすことが多く、キャロル博士曰く「ヤクザの予備軍」として厄介者扱いされてきた。しかしそんな彼もどうにかこうにか実験MS隊に配属され、あのガンダムを操ることになる。気が短くて下品、お世辞にもガンダムのパイロットに相応しいとはいえないが、連邦屈指のプロ集団たる教導団に勝てたというのは大したものというか、奇跡にも等しいことであろう。しかしながら彼に到っては例外で、かなりの部分をこのALICEによって助けられていた。ちなみにこのシステムは彼の母が開発したものである。この時代になっても母の愛は偉大か?。
「Let'SGoGuyeS!」

シン・クリプト

一般兵・パイロット FAZZ隊の指揮官だが、その口振りはほとんど愚連隊。リョウと同期で入隊し、当初はよく喧嘩をしていたものの今では親友同士である。クリゾム・オルドリンを率い月面においてMkVと交戦。圧倒的実力の前に二人を失い彼自身も敗れ、命からがら脱出、自分の手ではどうにもならないことを認めると、リョウにその敵討ちを頼んだ。その後はGアタッカーに搭乗する。
「せいぜいがんばれよ、ダンナ」

ストール・マニングス大尉

隊長・実践指揮官 α任務部隊のMS戦隊指揮官。リョウたち愚連隊を一人前のパイロットに育て上げる他、まだまだ未完成品であるヒースロウに対し様々な助言を施す。敵方のクレイとは一年戦争以来無二の親友であり、しかも彼をかばって片足まで失っているが、反乱により敵対することに。そしてペンタにおいて彼と直接対決、お互いに気付かぬまま、彼の機体は消滅した。リョウとの決着すら着かないでの死である。どうでもいいけど、彼がリョウを呼ぶときの「リョウ・ルーツ!」は、大原部長が両さんを呼ぶときのイメージだ。

イートン・E・ヒースロウ少尉〜少佐

中級司令官・艦長 ペガサスIIIの艦長を勤めるキャリア士官で、軍の誇る難関・高等士官学校を主席で卒業するほどの頭をもつエリート。しかし歴はあるものの実戦経験は少なく、彼のことを「机上の戦略家」と笑う者も多い。経歴に傷が付くのを恐れて奥手奥手な作戦を示すが、大抵どうしようもなくなってマニングスの意見を採っており、当人も彼を嘗めきっている。しかしもともとの地が良かったためか戦闘を重ねるうち順調に成長、軍を裏切った恩師・エイノーとの対決も経て一人前の指揮官となった。ちなみにエイノーは彼のことを「息子」と呼ぶ。

ALICE

動植物・機械 ルーツ女史とその一派が開発した戦闘用プログラム。Sガンダムに内蔵されており、女性のような思考形態をとる学習型のシステムである。リョウの意識に人知れず語り掛け、その正体はマニングスしか知らない。それを探ろうとするリョウに、マニングスは「私に勝ったら教えてやる」と答えた。リョウは彼を倒したものの、直後に彼が戦死したため、その正体は結局解らず終い。「チェシャ猫」と呼ばれる適性パイロットがいないと成長できない、互いを意識し合ってはいけないなど、ナカナカ制約の多いコンピュータだが、最後のセリフは案外泣かせ所かも。
「良い夢を…」

ジョッシュ・オフショー元少尉

エース・ベテラン ニューディサイズはMS戦隊、第1突撃隊の隊長を勤める青年将校。名家オフショーの出身で父を軍の高官に持ち、自らは教導団のエリートパ1イロットだった。しかし現在の自分のありように疑問を感じ反乱に参加する。基本的に自分の考えがなく流され易い上に他人任せの性格だったが反面士気は高く、目を負傷しつつも出撃するといった根性を見せていた。クレイにとって最も扱い易かったのが彼だろう。最期はALICEによって大気圏へと投げ込まれ、散る。
「彼らを殺す権利はお前たちには無いっ!」

トッシュ・クレイ元大尉

副官・補佐官・侍従 ニューディサイズの副長。ブレイブの副官だが、頭に血の昇りやすい彼とは対照的に常に冷静沈着、ブレイブとは違う面で兵からの信頼を集めていた。隊において参謀的な役割を受け持っており、誌面に学説を発表するほどのキレ者、月面都市連合構想によりエアーズ市との共闘まで実現する。ブレイブを失った後は隊をまとめあげ、地球へのゾディ・アッグ落しを画策、政府に対する政治的アピールを試みる。しかしα任務部隊の追撃により失敗、かつての旧友・マニングスを討ったのち、リョウの手で沈められた。ちなみに一年戦争時代マニングスの足にかばわれ命拾いをしており、共に捕虜暮らしも経験したことがあるという。
「パーティーの時間だ!」

ブレイブ・コッド元大尉

隊長・実践指揮官 ニューディサイズの首領。ペズンの教導団の志士たちを糾合し傀儡政府の連邦に反旗を翻すが、作戦にはほとんど関わらず自らはMS乗りとして戦場を暴れ回っていた。かつて一度エイノーから感状を授与されたことがあり、今回も彼からMkVという新しい「おもちゃ」を貰っている。同機のインコムを駆使してα任務部隊を半壊においやった。強靭な肉体を持ち、激戦の中で強い重力にも耐え抜いている(奥歯を折りながらも!)。しかしALICEのチカラを発揮したSガンダムの前に撃破された。後に彼の名はムサイ級巡洋艦に与えられ、兵たちの心の支えとなる。
「やっと……、地球へ、帰、れ、る、な……ァ」

ブライアン・エイノー提督

軍幹部・高級将校 一年戦争の際、降伏姿勢が濃厚な軍部にあって唯一徹底抗戦を叫んだという戦争屋。戦後は軍部もその扱いに困り、高等士官学校の学長に就けることで超タカ派の彼を納得させたという。それでも彼は親エゥーゴの政府の姿勢に憤りを感じていたため、偶然のサオトメの誘いに応じて艦隊ごとニューディサイズに渡り(なんとニューディサイズ討伐の任務遂行中に!)討伐隊である本星艦隊と交戦。大きなダメージを受けながらペンタで降伏する。「古き者は礎となるべき」という主張だったが、それにも関わらず降伏したため、α任務部隊の大きな顰蹙をかっていた。高級将官候補生の息子がいたが、前大戦で亡くしている。ちなみに彼の艦・ブルランは、コンペイ島に駐留していたものだ。
「本物の宙戦を見せてやれ!」

カイザー・パインフィールド市長

政治家・指導者 地球に対しある種の信仰の念を持つ保守的な市民をよくまとめ、同じく地球を守るために戦うニューディサイズの支援をさせたエアーズ市長。現行政府を「宇宙人の建てたものである」として認めようとしない。クレイと共に地球への夢を語り合い、スペースノイドの地球への依存を見て「これぞ地球の大きさである」と確認できたことが嬉しかったという。最期は市の若い者たちに後を任せ拳銃自決した。ちなみにペズンの反乱以前からティターンズには協力的であったという。
「私はあの世から嘲笑ってやろう」

キャロル博士

技術者・技術士官 ALICEの開発に携わる。リョウに、かつての同僚・ルーツ女史の姿を重ねていた。

キルシュナー

一般兵・パイロット 組織解体後もニューディサイズに残った志士で、ゼク・ツヴァイのパイロットをしていた。シャトルの三号機から出撃、迫り来る討伐隊に対し、ジョッシュから「棍棒」を使うよう指示されていた。

シグマン・シェイド少尉

一般兵・パイロット テックスとコンビを組んだZplusのパイロット。リョウに随行してペズンを襲撃、ジョッシュと交戦。大変な努力家として知られ、撃墜された後は二度とこのようなことがないよう模擬戦に励んでいる。機敏性に富み、この高速機の操縦には適任だった。ちなみに本作品に登場するキャラクターの中では最年少である。

ジョン・グリソム少尉

一般兵・パイロット オルドリンと共にFAZZのパイロットを勤める青年。クリゾムの名で呼ばれることのほうが多い。体育会系のゴツイ顔、モミアゲくんのケツアゴくんである。エアーズ攻略の際にブレイブに討たれ、その仇は隊長ではなくリョウによってとられた。退避しようにも敵の動きが素早く、しかも脱出さえ間に合わずに爆発、非業の死である。

チュン・ユン中尉

隊長・実践指揮官 ペガサスIIIに配属されたネロ隊を指揮する中隊長。ベテランとして戦歴も長いため、ヒヨッコ主力MS乗りたちに反感を抱いており、事あるごとに対立する。特にリョウとは仲が悪かったが、エアーズ降下の際に助けられ、以来恩義を感じていた。ネロを撃破されてからはZプラスに乗り、彼への借りはゾディ・アッグ撃滅の際に返される。しかし彼は、同時に命まで落としていた。

テックス・ウェスト

一般兵・パイロット Zplusのパイロットを勤める、カラバ出身の青年。ペズンの反乱を受けて、正規軍に編入された。重鈍そうな顔つきと体つきがどことなくトロそうな印象を与えるが、実はシッカリとした意見の持ち主。愚連隊のリョウばかりでなく、あのエイノー提督にまで意見しており、なんと艦隊の投降の際、「古き者は礎となる」と語りながら投降という行動に出た提督の顔面に鉄拳を浴びせるという暴挙にまで出た。
「僕たち、次の世代への大きな侮辱ですッ!」

ドレイク・パーシュレイ

隊長・実践指揮官 ニューディサイズの志士としてペズンで戦うも、迫り来る討伐艦隊に恐れをなして寝返る機会を探っていた白豚。見掛けによらず、パイロットとしての腕は優れているのだろう。焦った彼は巡洋艦一隻を欲し、「それを用いて戦う」とブレイブ、トッシュを欺こうとしていた。しかし見抜かれ、ペズン爆破の囮にされて死亡。隊の中でもコッド、クレイに次ぐ立場にあっただけに残念。新撰組がモデルの彼らでいえば、芹沢鴨か。

バート大佐

中級司令官・艦長 ペズンの基地司令を勤める中年士官。技研の隊長として派遣され、ブレイブに教導団行きの通知を渡した。彼にゼクを渡し、ペズンを去る。妻子持ちで、五年ぶりに一緒に暮らせることを喜んでいた。

ファスト・サイド元中尉

隊長・実践指揮官 MS戦隊第4突撃隊の指揮を執る青年パイロット。クレイを慕うパイロットの一人として最期まで着き従うも、同乗したゾディ2の構造上の不備が原因で事故死する。直接的な原因は推進剤への引火。「大尉ィィィィ……」の断末魔の声を上げつつ爆死した。ちなみにネオ・ジオンに救われた後に組織の最終決定となった「行きたい奴は行け、残りたい奴は残って戦う」という意見を出したのが彼である。

フランツ

一般兵・パイロット 組織解体後もニューディサイズに残った。ゼク・ツヴァイのパイロットをしていたが、ジョッシュによって気絶させられる。機体を奪われ、最後の活躍の機会を失ってしまった可哀相な人。

マイク・サオトメ

特務兵・工作員 ニューディサイズの情報士官だが、その正体はネオ・ジオンの密偵。トッシュも薄々は勘づいていたようだが、あえて言及せずにいたという。一年戦争時、ジオン軍敗北後に連邦へ潜入、情報部から教導団に配属。エイノー提督やエアーズ市民の説得に力を尽くし、ゾディ・アッグ受渡しの際、ジオン軍に帰還した。彼が敵国のためにここまでするのは、「連邦の内紛を長期化させることでアクシズの地球侵攻を助ける」ことにあったという。ちなみにこの名も本名ではなく、死んだ連邦兵の軍籍を借りただけらしい。
「いつの日か……」

ルーツ女史

技術者・技術士官 ALICEの開発に携わっていたリョウの母。原因不明の爆発事故の最中、ALICEをかばう様にして死んでいたという。

ロバート・オルドリン少尉

一般兵・パイロット FAZZのパイロットとしてエアーズ攻防戦に参加。青年ばかりの隊にあってかなり老けて見える。市街地では同型3機でMkVを迎撃、クリゾムの死後、接近するブレイブのサーベルによって叩っ斬られ、母の名を叫びながら宇宙に散った。ちなみにこれ以前にも一度出撃しているが、その際はバックアップに徹して実際には戦わなかった。