機動戦士ガンダム ムーンクライシス
シッカルド事件
どこぞの掲示板で暴れている氏を観て愕然とした私だが、やはりガンダム史上最高のアンソロジーといえば彼の作品であろう。絵や設定、メカデザインについては敢えて語らないが、セリフの端々がとにかくカッコイイ。ストーリーもシッカリとガンダムしてる上に、本来センチュリーが潰すべきような細かい場所を、全て活字に直してくれたところにその作品の存在意義があると思われる。ここでは、同人誌を含まない氏の作品を扱った。手に入れへんねんもん。
ウモン
サイデイと共にミネバに付き、彼女をタウリンの手から命懸けで守った青年士官。タウリンの強化された反射により手首を吹き飛ばされるもよく堪え、ミネバを守り、大気圏へと燃え落ちる。
サイデイ
ミネバの付き人の一人として、彼女をタクランの工場に連れて行った中年士官。イスラム教徒ということで迫害を受けた祖父と、飢える難民の母をもつ苦労人の家系で、そんな恨み辛みのない宇宙の素晴らしさを説いていた。タウリンの反乱に立ち会い、彼の手からミネバを守るためカプセルで流すも、自らは摩擦熱で死亡。
「ガンダムか…何と因果な……」
J・C・アンダースン
シンドウ夫妻の知人にして、10年来のタクナの義父。温厚な人物で、タクナが自分のことを「アンダースンさん」と呼んで「父」と思わないことにも不平をもらさなかったという。
タイラント少尉
ベクトラに所属、タクナのバックアップを命ぜられたバンダナ付きのラフなパイロット。ロン艦長からの信用も厚い。ゴールドマンのシャトル護衛の任を受け、生まれ故郷のダブリンに降下した。あと一年半で任期が終わるらしい。
「俺が…産まれた街だ」
タウ・リン
香港の旧市街で生まれ、姉と共に物乞いをして命を繋いできたヨーロッパの過激派リーダー。「民衆よりも権力者を抱き込む」という手法を駆使、瞬く間にチカラを手にした。一旦はヌーベル・エゥーゴの指揮官としてネオ・ジオンに協力する素振りを見せるも、ミネバの守役二人に発砲、ハウエル一党に反旗を翻す。そして同時進行でAE社に協力、同社製MSを連邦に売り込むのに一役かうが、彼はここで身を引かずに戦闘を続行、この世の全てに幕を降ろすべくグラン・ジオングで出撃した。実はかなりのハードウェアのスキルを持っており、それはあのウェラーのシステムをクラッキングした程である。
「俺は歴史の最後の一ページだ」
タクナ・シンドウ・アンダースン准尉
10年前に両親をテロで失い、以来ずっと父の親友・アンダースンに世話になっていた青年。「あと30分救助が早かったら両親を助けられた」という理由からレスキューパイロットを志願、テストパイロットとしてベクトラに派遣される。しかし本来実戦に出ないハズの彼にも、ジオン軍の再来により出撃命令が下ることに。その中でミネバと出会い、事件解決の後は共に地球へと帰っていった。戦後生まれにしてはマジメで現実的、ガンダム乗りといっても浮き上がることはなかった。
「ここで生まれたから、帰って来た人達だろうに!!」
タクラン
ハウエルの蜂起のため、サイド2はアムリツァール自治領区でMSの量産していた老技術者。サイデイに連れられ工場を訪ねてきたミネバに感激する。
「今日この日に………英霊達の祝福あれ」
ニコラス・サリン中佐
ベクトラの戦略担当の士官で、第110航宙戦闘大隊長を勤める。敵の動向や性質、そしてゴールドマンの出方まで読んでいたキレ者。
フョードル・クルムキン准将〜少将
連邦屈指のキレ者として正義感も強く、べクトラ・後にルナツー司令まで勤め上げた老将。シッガルト事件の際には監察官を引き連れ大統領まで面会に赴いて、その実力を発揮する。BC兵器の知識に長けており、フォード博士のウィルスの危険性を逸早く察知、ウェラーの反乱をも予見し、事態の収拾にチカラを尽くした。実はフォード博士のデータは彼にしか解放されないようREONにはプログラミングされていたという。
「いかなる崇高な正義も、暴力を使えば唾棄すべきテロリズムだ」
ベクトラ
戦艦ベクトラで飼われている犬。「出撃前に彼の頭を撫でておくと生きて帰れる」いう妙なおまじないがある。ちなみにあのミネバは、このとき生まれて初めて犬を見たという。
ベルム・ハウエル中将
シッガルト制圧の首謀者にして、一年戦争のころからジオン軍の参謀部にいたキレ者。ランブリンを占拠、ミネバを御旗として作戦を遂行。月市民全ての命と引き換えにアクシズ艦隊奪回に成功した。しかしタウリンにミネバを奪われたことで全ての失敗を悟るや、タクナの手に渡ろうとするミネバをジオンの柵から解き放つ。「お前はミネバさまのクローンで、ニセモノに生殖能力はない」という嘘までついて。そののち部下にその言葉の真偽を尋ねられ、彼はこう返す。「命を賭けてまで、まがいものに忠誠を尽くすバカがおるものか」――。直後、彼の乗るレウルーラは炎に包まれた。
「血塗られた道だ!!免罪など乞わん!!」
ラナフ・ギャリオット監察官
ベクトラに同乗した軍部直属の監察官。政府高官を母にもち、以前は母の補佐役を勤めていた。正義感が強く実直な性格だが、地球の危機とあっても融通の利かないちょっとイライラする女性。事態の解決を神に祈るシーンがあるが、「初めて心から祈ります」ということはあまり信心深い人ではないらしい。後にルナツーに廻され、クルムキン付きの監察官となった。年下好みだけに、ちょっとタクナに気があったらしい。
レイニー・ゴールドマン大統領
第20代目の連邦政府の大統領として、建前上は頂点に立つ者とされている男。しかしその発言は全てG7の決定によるもので、彼らの「わかっちゃいねえ発言」に困らされているのは、ハリボテ大統領の彼。母をジオン軍のコロニー落しで亡くしており、そのため強烈な反スペースノイド思想を持っていたが、「これ以上、イデオロギーのために他人がその犠牲になる事があってはならない」という人道的な判断により、ベクトラの拘束を解いた。
「今まで通りの、明日が来るのならな」
ロウ・シン大佐
ベクトラの艦長だが、それ以前から主だった作戦には常に参加してきた歴戦の勇士。しかし無謀な作戦に対しては反発も多く、後ろへ後ろへと廻されることも多かったらしい。それでも部下からの信望が厚いのは、新任のタクナに新型を預けるなど、形にこだわらない人事が多いから。しかしこの時代においてベクトラほどの巨大戦艦は既に用無し、シッガルド事件を鎮圧した後は解任されたものと思われる。
「自分が不用だと認めねばならんのか」
