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機動戦士クロスボーン・ガンダム

ドゥガチの反乱

レビュー

正直に言って、氏の描く絵は余り「素敵」ではない。これは松浦氏の作品も同様であるが、しかしその作中で「書かれる」ストーリーは、両者ともアンソロジーとして非公式のまま流してしまうのは実に惜しいモノばかり。ことに『クロスボーンガンダム』は監督が直接関わっている作品ということもあり、ガンダム史上に残る名作と呼べる。しかも公にガンダム以外のロボットアニメを取り込んだのも氏が初めてであり、彼はまさに革新的ガンダム作家と呼ぶに相応しい人物であるといえよう。

マザー・バンガード

ベラロナが組織した宇宙海賊。事故により戸籍を抹消された旧クロスボーン兵団を母体とし、木星帝国の欺瞞を暴かんと奔走している。しかし中にはコスモ貴族主義実現のための活動と認識する者もあり、艦内は決して一枚岩ではない。一度は連邦と敵対するも、彼らが木星の陰謀を知るに到り共同戦線を張る。

木星帝国

地球連邦が今だかつて相対したことのない、人類史上最悪の軍団。兵たちは「苛酷な木星圏からの脱出と地球への移住」などというジオンと何ら変わらぬ戦争目的を信じているが、地球への私怨から総統・ドゥガチは地球の破壊をその最終目的と考えている。核を装備したMAでの地球降下を目論むも、再興CV軍によって阻止された。

トビア・アロナクス

エース・ベテラン 地球から木星への留学を望んだ学生。その旅程において戦禍に巻き込まれた。当初は海賊を撃退するために戦い、恩師・カラスが自分を狙っていると知るや今度は海賊のもとでMS乗りとなる。偶然出会ったドゥガチの娘・ベルナデットに一目惚れし、彼女に少しでもいいところを見せようと努力していた。主義者にはない子供ならではの感受性の高さを持ち、バーンズと出会ったことで地球の素晴らしさに感動。宇宙移民者たちが失った「人が元々持っているチカラ」に憧れ、戦後は地球に残り、いつかは宇宙海賊にでもなろうと考えていた。今までのニュータイプとは別の方法で人の革新を得ようと、ベルナデットと共に歩き出す。
「決着は"人間"の手でつけます。どうか手を――お貸しにならないで――」

テテニス・ドゥガチ(ベルナデット・ブリエット)

政治家・指導者 マザー・バンガードに密航、木星から逃げだそうとしていた謎の少女。しかしドビアに助けられ、ベラを通じて何とか艦に置いてもらえることに。そんな彼女の正体は木星帝国皇帝・ドゥガチの娘で、かつて連邦がドゥガチのもとに送り込んだ女性との間にできた王女さまであった。だが彼女はスパイとして艦に潜り込んでいたワケではなく、木星に行くことで「父の本当の目的」を知ることが目的だったらしい。キンケドゥに憧れたりトビアに惚れ直したりと大変忙しい性格だったが、最終的には命を懸けて自分を助け出してくれたトビアへと傾いた。何があっても父の優しい部分を信じ続ける健気な少女で、その確証を得るためだけに木星まで密航してゆくその強さには敬服。戦後はトビアと新たな人生を歩む。

シェリンドン・ロナ

政治家・指導者 ベラロナの従姉妹にあたる人物。ベラが貴族主義を捨てた後も、その信奉者たちによって「アイドル」へと祭り上げられた女性だ。完全なる平和を願い、本当の状況すら判らぬうちにベラを説得しようと艦に乱入。それが叶わぬと悟ると、艦を連邦軍に引き渡そうとした。しかしその一方でトビアのニュータイプ能力に目を付け、彼を軟禁。後に彼の身を張った説得により微妙に考えを変え、ドゥガチの真意を聞くに到り遂に戦う決心をする。流動的な風体で意外と頑固なキカンボウ。ちなみに前大戦中はコスモ・クルツ教の教祖として君臨していた。

カラス

特務兵・工作員 ドゥガチ直属の工作員として、総統直々の命令でのみ動く男。表向きは「トビアを育てた優しい教師」、しかし裏の顔は「ギリを育てた悪魔の教師」。ワイヤーを使った戦法を得意としており、生身でもMSに乗ってでも似たような戦い方をする。スマシオンに乗船していた彼の目的は化学兵器と地球圏の情報を木星に送り届けるためで、トビアが帝国の野望に気付くや彼を消そう牙を剥いた。「いつの世も強い者だけが生き残る」という弱肉強食に基づいた独自の価値観を持っていて、最終局面においてはトビアに倒されたのにも関わらずその背後を狙う味方を撃ったりもしている。

バーンズ・ガーンズバック大尉

エース・ベテラン 浅黒い顔と真っ黒の髭を持つ、帝国でも名の知れたベテランパイロット。宇宙の恐怖と不便さ、そしてそこで「暮らす」ということの苦労をトビアに対し教えた。ちなみに彼の息子は酸素基地で働いていたが、事故によって死亡している。地球侵攻に従事しているのはそれがきっかけだといい、地球で安穏と暮らす人間に対抗心を持っていた。後に死の旋風隊に配属されてギリの部下となるも、本当に面倒を観られているのはギリのほうであったろう。彼の命を助け、戦後は地球に残ったようである。ドゥガチのいない世界で、彼は新しい人生を始める。ちなみに専用カラーリングはシャアと同じ赤だった。

ギリ・ガデューカ・アスピス少佐

エース・ベテラン 死の旋風隊を指揮する、人を人とも思わない非情な冷血少年。それにしてもここまで増長したニュータイプは今だかつていない。カラスの下で育てられた帝国屈指のエリートパイロットで、地球侵攻に際して連邦の基地すべてを叩き潰すことを命ぜられていた。ドビアの隠れ家を発見、隊を挙げて襲撃するも、逆撃をこうむって敗北。自決しようとしたところをバーンズに止められる。ドゥガチの呪縛から解かれ、地球に残った彼は人間らしい心を取り戻しただろうか……。
「人類に地球はもう必要ないんだよ!」

クラックス・ドゥガチ総統

政治家・指導者 木星帝国の総書記。じゃなくて総統。木星市民を手足のように使い、虫ケラのように始末する卑劣な支配者。表向きは地球乗っ取りを企てているように見えるが、実は私怨から地球を消し去ることのみを望んでいる。木星の過酷な生活環境を逆手に取ったマインドコントロールを施行、国民を地球破壊という修羅の道へといざなった。かつては木星船団に所属、木星圏の開発のために生涯を捧げてきたが、木星が力を持ちだすにつれて今までの連邦の態度が一転。政略結婚を申し込む彼らに対し強い怒りを覚えた。しかし相手の女性の「優しさ」が彼に劣等感を抱かせ、果てに地球攻撃の引き金となったらしい。ベルナデットことテテニスは彼の一人娘である。最後の最後まで「穏やかな隣人」の態度を崩さず、突然の宣戦布告は地球を壊滅の一歩手前まで追い込むも、その乗艦は新生クロスボーン軍によって沈められる。自分のクローンが7体おり、そのうち本体は地球へ降下するが、結局はキンケドゥの手で倒された。絵に描いたような、どことなくマモーっぽい悪党だったが戦争に対しては意外にもリアリスト。
「私は戦争をしているのだよ!」

アラン曹長

一般兵・パイロット お猿のMS部隊殲滅に出撃した、ハリソン小隊員。ジム系のMSに乗るも、バルブスに撃破された。

アンソニー

動植物・機械 おさる。ガルマ(?)とおぼしきジオン高官の指示により進められた研究の、優秀な検体。とっても懐かしいネーミングである。

ウモン・サモン

一般兵・パイロット マザー・バンガードに所属する年老いたパイロット。いつも爪楊枝をくわえている、ドビアの面倒を好きこのんでみる気のいいお爺さん。「木星軍のMSはカッコ悪い」とハッキリ言い切るあたり、いくら宇宙暮らしが長くてもセンスは狂っていなかったようだ。年老いても尚ニュータイプ能力があると自称し、若き折にはボールひとつでドムを6機も撃破した記録があるという。この度の戦いにおいても目立たぬながらも活躍し、無事生き抜いた。ちなみにフルネームは匿名メールによって頂戴しました。ガンダムウォーで明らかにされているとのこと。情報ありがとうございます。

オンモ

中級司令官・艦長 やや厚めの唇、酔っ払ってでもいるのかほんのり赤い顔。そして指先まで覆う長い袖の服という謎深いリトルグレイの艦長さん。多数の補給物資を持ってベラロナの下へ現れ、CVの士官とは思えないほどの大笑いをして挨拶に代えた。戦後は地球に降り、ガンダムの回収も担当している。

ギル

一般市民・非戦闘員 トーマス、レイチェル夫妻の間に生まれた子供で、義理の兄弟・ドビアとも仲が良い。彼いわくギルは「しっかりした奴」とのこと。

シーナ・カッツィユッキー

軍幹部・高級将校 旧ジオンの高官。ザビ家にも近い人物だったらしい。お猿のMS部隊殲滅に際し、連邦軍から招かれた。「ニュータイプとは人類の革新ではなく、類人猿でも宇宙に出さえすればそうなってしまう可能性もある」という証明をしてくれたが、本人は「ていうか全否定!」と、その真偽を疑っている。

ジェラド

一般兵・パイロット マザー・バンガードのパイロットとして、イオ強襲作戦に参加。褐色の肌と漆のようなツヤのある髪をもつ青年。特技のナイフ乱れ投げによってヨナと基地内部を制圧、その後も戦死することなく活躍。ドゥガチの降下の際も静止衛星軌道上で奮戦した。どうやら機体の腕を失ったようである。

セガール

動植物・機械 おさる。ガルマ(?)とおぼしきジオン高官の指示により進められた研究の、優秀な検体。とっても懐かしいネーミングである。

セバスチャン

動植物・機械 MSを操縦できる、スゴイ猿。ドビアを助けたおじさんが相棒としていた野猿であり、ドビアを守るため作業用の機体に乗り込むも、さすがに死の旋風隊が相手では話にならなかった。ギリギリで逃げたため、九死に一生を得る。

ディック小隊

一般兵・パイロット ドクロマークのドムを駆る、バチモンの黒い三連星。ディック、その兄・友人で構成される。歴戦の男達だったものの、ウモンの暴れっぷりに翻弄され、その実力を発揮する前に三人とも撃破された。なお、うち一人はデミトリーの友人で、Bガンダムの活躍を前にザクレロの正しさを認めている。

トゥインク・ステラ・ラベラドゥ

副長以下のクルー レアメタル採石者の娘にして、木星圏を漂う隕石「ネバーランド」の主。帝国によって一家丸ごと人質に取られ、七年、八年前と相次いで両親を亡くした。以来一人きり、帝国のために働かされている。地球から持ってきた本がピーターパンと星の王子様しかなく、両親を失って久しいことから現実と創作の区別が曖昧になっており、星を訪れたトビアを「ピーター」と呼んだ。ドゥガチ撃滅後、マザーバンガードのクルーとなる。

トーマス

一般市民・非戦闘員 ドビアを育てた義理の父。実の子・ギルとドビアを別け隔てなく育てていた。

ハリソン大尉

エース・ベテラン あの堅い連邦軍にあって専用機を持ち、あまつさえそれがF91という優秀なパイロット。通り名を青い閃光という。第17機動中隊に所属、シェリンドンに誘導されてマザー・バンガードを襲撃するも、ガンダムの前に敗れた。そののち木星帝国の侵攻に対しては彼らと共闘、ジュピトリス9を狙うキンケドゥを援護した。「うまくいったら裁判にいい弁護士をつけてやる」とのこと。ディビニダド撃破を連邦側で指揮したのも彼である。MSの操縦に長ける彼も普段のカンは鈍く、近くに海賊ことクロスボーンの面々がいてもまるで気付かなかった。ちょっとしたロリコン趣味もあって、最近ではほのかなヌケサクキャラが板についてきたようである。
「全機……攻撃開始いっ!一機たりとて地球へ入れるなあっ!」

ハリダ

一般兵・パイロット スマシオン襲撃、イオ強襲作戦に参加したマザー・バンガード所属の中年パイロット。あまりある口髭が特徴。キンケドゥの呼び掛けに「へい!!」と応えた後、バーンズの乗るエレファンテに攻撃を開始。Iフィールドによる鉄壁の防御を破れぬまま、触手に捕まれ爆死した。

ハロ

動植物・機械 ベラが飼っているオウム。なぜかガンダム歴代キャラクターの名台詞を喋る。しかし彼はおろか他のキャラクターすらいなかった場面のセリフをも覚えているということから考えると、もしかしてニュータイプ能力でもあったのだろうか。

ヨナ

一般兵・パイロット あまり腕の立たない女性パイロットだが、肉弾戦になると格別のチカラを発揮する。イオ基地制圧の際には銃を持った敵にも臆することなく果敢に飛び込んでいった。戦後は地球にでも留まったのだろうか……。

ヨナ・キニスン

一般兵・パイロット ウモンじいさんの、一年戦争時代の上官。マザーバンガードに乗るヨナのバアサマにあたる人物。ボールを改造した若き日のウモンに慕われ、ドムを次々と撃破した彼を認めるも、既婚だったため恋は実らなかった。

レイチェル

一般市民・非戦闘員 ドビアの義理の母として、彼と実の子・ギルとを別け隔てなく育てていた。

ローズマリー・ラズベリー

エース・ベテラン 帝国で唯一ガンダムに乗った、大きな胸とその谷間が印象的な死の旋風隊の攪乱担当。バーンズとは旧知の仲らしい。捕らわれの身のドビアをコロシアムで公開処刑をしている(無論、逃げられたが)。その後は地球へと降下、ドビアの前に敗れた。しかし彼の予告爆破によって戦死しておらず、後に隊員みなが治療を受けたことからしても、今もきっと地球を逃げ回っていることだろう。不意にいなくなった、不思議なキャラクター。
「わたしゃこういうのはきらいじゃないねえ、ぞくぞくするよ」

ロニム

一般兵・パイロット マザー・バンガードに乗る、気の弱そうなメガネの士官。キンケドゥにミノフスキー・ドライブの説明をしていた。後にギリを迎撃すべくゾンド・ゲーで出撃するも、トトゥガの手に掛かり戦死(上半身だけ分離していたので、もしかしたら生きてるかも知れない)。