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ガンダム聖書

神は見えているか 聖書

傍流ガンダムの子孫、平成ガンダムの子孫、大ガンダムの系図。

トミノ王にトリトンが生まれ、トリトンにひびき洸が生まれ、ひびき洸にシモーヌが生まれ、シモーヌと宇宙人が交わり神勝平が生まれ、神勝平に破嵐万丈が生まれ、破嵐万丈に大ガンダムが生まれた。

それで、トミノ王より大ガンダムまでの代が全部で一体何代なんですか ? しかしコンテやら脚本を入れると実質かなりの子沢山であった。

大ガンダムの誕生は次のようであった。人々がガミラスの襲来によりその数を減らしたのち、地上には荒野が広がった。残されたものたちはみな機械の身体を手に入れるため、波動砲を片手にイスカンダルへと旅立っていった。メーテルに導かれ、その旅はとてもとても楽しいものであった。

しかし神は「おお情けない我が子らよ」と嘆かれると、古ぼけた日輪兜の巨人と三日月兜の巨人をこねてガンダムを造った。そして神は「アムロあれ」と言った。するとテレビの中にはアムロがあった。「アムロだけでは盛り上がりません。シャアもあれ」。するとその通りになった。「可愛い娘もあれ」。すると木馬にはセイラがあり、フラウボウがあり、マチルダがあった。そして続けて言われた。「お色気あれ」。しかしこれはどうにも叶わなかった。

人々はガンダムに熱狂し、神はそれを見てよしとされた。しかし人々は神の行いを模し、自分たちもガンダムを欲しくなっていた。それを見て神は言われた。「大いに結構です。貴方たちもガンダムで遊びなさい。しかしたまにはザクでも遊びなさい。貴方たちは幸いです。私は貴方たちのために三つ葉の島 (注1) を造りましょう」。神が「ガンダムあれ」と天に手をかざすと、そこには小さなガンダムがあった。

人々はガンダムで遊び、大いに楽しんだ。しかし島に住む一人の男は、その小さなガンダムでは物足りずに欲を出し、三つ葉の島の森にある、ひとつの赤い箱 (注2) を開けてしまった。それは神によって禁じられた行為だった。するとそこには 1/144 のガンダムがあった。そしてその者が森から出ると同時に、人々のガンダムは何となく格好よくなっていた。それを見て神は言われた。「それはガンプラです。真のガンダムは、三つ葉の島では手に入らないものです。たまには禁断のことにチャレンジするのもプラモスピリッツ (注3) です。人々よ、バンダイ国を建てなさい」。人々はその通りにすると、京田四郎という少年が王になった。

一方ガンプラよりもアニメのほうに心惹かれる人々は、こちらの世界に残り、神の言葉を書き留める一大編纂作業に取り組んでいた。その編集小屋の仰々しさを見て神は言われた。「大概にしなさい。我が祖、トミノ王が困っています。ていうか全てはフィルムを観てもらえば解ります (注4) 」。しかし人々の暗きを灯そうとする心は強まる一方で、今度は書記職の者に代わり、平民がその研究に乗り出した。各都市都市に青年団 (注5) が結成され、神はとうとうそれを止めることはできなかった。後に彼らは『ガンダムセンチュリー』を記し、これを神にまつわる伝記とした。そして本は永く聖書として古本屋に高く並んだ。

その少し前、神はユウキ・コスモを生み、その一方で自らの身体を三つに割り、言われた。「人々よ、暫しの別れです。私は映画となって蘇ります。それまで皆さんお風邪など召さぬよ ( 以下略 ) 」。そう残して神は消えた。しかしそれは、ガンダム人にとって、苦しみの時代の始まりではなかった。多くの人々が神の教えに耳を傾け、その伝道師たちの活動にトミノ王も協力した。王は言った。「民よ、ガンダムせよ」。時代は変わり、新世紀宣言 (注6) を以って新たなる時代が始まった。

そして人々の祈りが天に届いたそのとき、神々しい光明と共に神は蘇った。そしてすぐさま暗くなり、なんとそこは映画館だった。それからおよそ一年、神は三度にわたって人々に感動を与えたのち、再び天へと帰っていった。しかし人々の心には「つーか三つ目のアレ (注7) は昔のガンダムと全然別物じゃねえか?」という疑問が残った。

ところで神は天に戻る少し前、自らの教えを継ぐ者を示していた。神は使徒オーカワラという、かつてガンダムのメカに尽くした男の枕もとに立つと、こう言われた。「オーカワラよ、お前の考えたデザインはとってもナイスです。私は疲れたので暫く天にて休養しますが、必ず戻ってきます。それまで人々に私の教えを語り継いでください」。その後オーカワラはその通りにすると、MSV国を建てた。そして彼は平和のうちに国を治めると、天にてそれを見た神はこう言われた。「オーカワラのモビルスーツはやっぱり良いです。私がZとなって再び地上に降りるとき、私の身体にはそれがあるでしょう」。神は去り、トミノ王もまたガンダムの世界を去った。彼はジロン・アモスを育て、ダバ・マイロードを育て、そしてショウ・ザマをしてトミノ王朝を築いた。

それから暫くして神は蘇り、Zとなった。Zとなった神の表情はとても暗かった。躁鬱だった。そのため神は何かを勘違いし、ZZとなった神は蛍光灯のように明るくなった。しかしそれが災いして人々から石を投げられた神は、いじけて変な同人漫画に傾いてしまった。しかしそれでも神はなまじなことが大変嫌いなので、再び映画となって人々を見返した。

それから神は、その身を更に割られ、人々の中でも優れた者に分けて与えた。ひとつは使徒ミキモトに与えられ、そのとき神は言われた。「貴方のキャラクターは綺麗です。トミノ王とは別の王に仕えてみませんか」。ミキモトはこれに応じ、聖 0080 教会の壁絵師となった。

そしてもうひとつは使徒タカハシに与えられ、このときも神は自ら出向き、こう言われた。「貴方は私の糊となりなさい。ZとZZを繋ぐ、糊となりなさい。貴方の造るメカは素敵です。アナタ方も、トミノ王とは別の王に仕えてみませんか」。それを聞いたタカハシは、神聖モデルグラフィックス軍を率いてこれに応じ、センチネルを書いた。この軍にはアサノ将軍やカトキ将軍が居た。

神はこのように傍家を建てたが、しかし最後のひとつは与える相手を間違えて、その者にSD王家の財宝を喰い尽くされてしまったという。神はこれに烈火の如く怒り、その者の頭上に雷を落とすとこう言われた。「もうよい。SD族にギャグは無理 (注8) である。宇宙から離れ、騎士と侍に専念するがよい」。そう言って神はその者の冠を取り上げると、使徒ヨコイにそれを与えた。彼はSD族を再興させると、カードを使って龍球族 (注9) と戦った。龍球族はスカウターという兵器を使う強敵だったが、同じバンダイ国の出身だったので、データックの先まで共にカードの血を守った。

神はガイアの世界でガンダムに似て非なるものを作られると、文化の塔に籠もって出てこなくなった。人々は嘆き、悲しみ神の名を呼んだ。すると神はフォーミュラとなって帰ってきた。しかしその傍らにはカトキ将軍が居て、彼はオーカワラと人気を分けた (注10) 。それを見て神は言われた。「人々よ、この者は初代とZを繋ぐ糊です。彼もまたメカデザインの天才であるからして、皆仲良くしなければいけません」。しかし人々の中にはカトキに歯向かう者も少なくなかった。それを見た神はまた言われた。「人々よ、OVAせよ。家財をなげうってでも0083を観るのです」。しかし人々はその通りにはしなかった。気分を損ねた神は、悪戯でビデオの中をメカ一色に染め替えた。しかし一方のフォーミュラもあまり人々には愛されず、またその影も影のまま終わった。トミノ王自身「あれは商売として書いた」とぬかす通り、神は絶望して再び天へと帰って行った。

それでも神は人々を楽しませたいという望みを捨てず、Vとなって天より戻ってきた神はどこかオカシかった。まず神は船にタイヤをつけ、これをバイク戦艦として人々に教えた。そしてガティンコSFに超能力者が出てきたそのとき、トミノ王はとても元気がなかった (注11) 。彼は伊佐未勇を育てるため、ガンダムの世界を離れていった。

導を失ったガンダムの世界は大いに乱れた。まずイマガワ将軍は喧嘩競技を好み、Gの世界から異国の兵士を呼びつけては楽しくファイトした。それを見て神は、「はしゃぎ過ぎないよう、適度に元気になさい」と言い、これをよしとした。しかし国は子供だけになった。そう、この時代はかつて伝説と言われた歴史書『ガンダム・センチュリー』のSF考証に興奮を覚えた人々が、一斉に国を去っていた頃でもあったのだ。

更に人々の流出に拍車をかけたのは、神が色気づいたからである。Wとなった神は少年を愛し、流し目の青年を庇護した。その神の優しさに、東方の遊牧民・同真族 (注12) の女性たちが惹かれ、ガンダムの世界にはメガネの女性しか居なくなった。しかし神はとっても好色なので、これを見てよしとされ、そして言われた。「創作のふりしてキャラクターへの愛を語る女性たちよ、結構です。アダムとイブがロボットとなってセカンド・インパクトを起こすかも知れませんが、無視しなさい」。

しかし神は、男性への計らいを何一つしなかった。男性たちはプラグスーツの女性 (注13) にたぶらかされ、ガンダムの世界から一人、また一人と消えていった。一時の快楽にすがった彼らは、彼女が十字架となったのち行き場所を失い、バンダイ国がギレン & ジージェネのお呼びを掛けるまで、流浪の旅を続けることになったのである。これを「ガンダム人の受難」という。

その後、センチュリーの時代より久方ぶりにニュータイプ宗教会議が開かれ、 X 宮殿がその場に選ばれた。しかし開催時が朝だったので、出席者はほとんど居なかった。バンダイ国は神に 08 の鎧を着せて奮起を願うが、神は「それはできない」と言うと、着付の者にその鎧の値札を見せた。人々はその価格に恐怖し、今の不況を呪った。「おお神よ、私たちは貯えが無いので買えません」 (注14) と。

迷えるガンダムの世界の人々を救ったのは、隣国バンダイの人々だった。彼らは神の力によって遥かに巨大にして精巧となったガンプラを引っさげ、ガンダムの世界に渡ってきた。バンダイ国はガンダムの世界の衰退とは関係なく、常に他国の侵略に脅かされながらも栄華を極めていたからだ。そして彼らはマスターグレードやパーフェクトグレードの箱を開けると、その匂いをかいだ今まで他のアニメの国へ散り散りとなっていたガンダム人たちが、少しずつ帰ってきた。そしていつしか、ガンプラはとてもとてもカッコ良くなった。神はそれを見て「ガンプラだけでは不足です。ゲームもせよ」と言い、ギレン & ジージェネを創造した。そして神はこう続ける。「おお、人々よ。スパロボひとつ全クリできない人々よ。貴方たちはヘタクソです。しかし私は貴方たちでもクリアできるゲームを生み出しました。人々よ、ゲームせよ」。するとそこにはプレステのゲームのみならず、スワンがあり、カードゲームがあり、プレステ2があった。ところでこのエセ旧約聖書の元ネタに気付いた貴方は幸いです。ゲーム帝国は偉大にして拙僧も大好きでした。シーデン。 ← ( カイ ) 。

さて、神の 20 歳を祝い、バンダイ国より聖なる光が降り注ぐそのとき、西方からは大いなるものが来た。その名をシドといい、彼はトミノ王に知恵比べを挑んだ。99回にわたる激しい戦いの末、彼は神の像に髭をつけた。驚くガンダム人を前に、彼は言った。「神を支える人々よ、貴方たちは奢っています。だから私とは異なるワケわかんねえ外人 (注15) にグにもつかねえクソ映画を握られてしまうのです。セイバーを振るう前に髭をたくわえて威厳をつけなさい」。ガンダム人たちは自分たちの保守的な考えに反省し、シドと組んだトミノ王を支え、髭はそれなりの、ていうか個人的にはかなりの出来栄えになった。

ここまで飽きもせず、読まれた貴方は幸いです。さて最後に、神が御使いたる私に語った預言を記し、ガンダム聖書の締めとしましょう。神はセイバーが壊れたあの黄昏に、こう言われた。「神は偉大にして、ガンダムは永久に不滅です。しかし今回は滑りました。だが私の功績を封じてはいけない。時が近づいているからである。トミノ王は死なず、いつかきっと本当のガンダム人の心のスキマを埋めてくれる筈です。あのトミノ節をして。ドーン。だから私を愛するものはいよいよガンダムしなさい。私に熱狂するものはいよいよガンダムしなさい」。「見よ、新作はすぐにくる。私はファーストであり、Zであり、∀である」と。これは幻聴だったのか。あるいは真実の言葉だったのか。多分前者であろうが、とりあえず人々よ、ガンダムせよ。

「日の出」の方角にアニメあり、聖典「コーダン」 (注16) には穢れ無き子供たちが集う。神を模した「堂」 (注17) には天高く厚紙の箱がそびえ、500 枚の銀貨で人々はその箱を開ける。また「円盤」の中にも神はいて、電気を通じて人々と遊ぶ。これが、次に神が復活するときまで、ガンダムのために人々がすべきことである。ピピニーデン。

注訳
1____クローバー社。「超合金」の名前が似合いそうなガンダム玩具を発売。
2____北原照久氏が好きそうな話。昔のバンダイ。牛乳石鹸とは関係ない。
3____シミュレーション、ゴォーッ !!
4____「富野語録」より。監督がエクスキューズに窮するとこの言葉を発するらしい。
5____名著とて 元を辿れば 同人誌 芭蕉
6____56年2月22日の出来事。拙僧にとっては生まれてすらいない太古の話。
7____テレビ版は終盤、安彦氏が倒れたらしい。
8____最近また雑誌で何かされてるようですが……。
9____DVD 10 万円て。
10___個人的には大河原氏。
11___「ターンエーの癒し」より。鬱に近い症状が出ていたらしい。
12___聖闘士星矢とか。幽遊白書とか。最近では最遊記とか。
13___「アナタは死なないわ」と「あんたバカぁ ?」のほう。個人的にはマヤちゃん。
14___それはお前だけ、ってか。
15___まだあったんですね、公式サイト。
16___「ボンボン」は分厚いですからなあ。
17___拙僧の近場にはケツに「堂」の付く模型屋はなかったですなあ。