■ 銀河帝国と銀英伝世界の成立 ……
この話は、ルドルフという一人独裁者から始まります。しかし彼は劇中には登場しません。五百年も昔の人物で、銅像や VTR でのみの存在です。ルドルフは 「銀河連邦」の軍人としてスタートして、政治家となりました。そして独裁の挙げ句、自らを皇帝と称し 「銀河帝国」を打ち立てるのです。帝国では恐怖政治が行なわれ、ルドルフに忠誠の厚い人間だけが貴族の地位と特権を手に入れました。彼に歯向かう者は、殺されるか、流刑に遭うかしかありません。恐怖政治の跋扈する人類社会――、それがルドルフの作り上げた銀河帝国です。
■ 自由惑星同盟と共和主義 VS 皇帝専制……
流刑となった者の中に、ハイネセンという男がいました。彼に率いられた一団は、氷の船で流刑地を脱し、五十年の逃避行の末、人の住める惑星を見つけるに到ります。彼らはそこに 「自由惑星同盟」という名の国家を建てると、これに共和制を敷いて、自分たちをこそ 「銀河連邦」の正統な後継者と称しました。その後、銀河帝国は自由惑星同盟の存在を知ると、大軍を送り込んで滅ぼそうとしましたが、その距離と、率いる将の無能さから何度やってもうまくいきません。こうした戦いが、もう 150 年以上も続いています。
■ 銀河帝国末期 ……
主人公のラインハルトは、銀河帝国に生まれた貴族です。しかし、貴族は貴族でも貧乏な、下級の貴族の出身でした。彼には自慢の姉がいましたが、彼女はその美しさから、ある日、皇帝によって奪われてしまうのです。幼いラインハルトには姉を取り返す力がありませんし、帝国では皇帝に逆らうと殺されてしまいます。そこで彼は、力を手に入れたいと願って軍人になりました。彼は親友のキルヒアイスと共に武勲を立て、力を手にしてゆきます。彼の力が皇帝を凌いで姉を取り戻すまで、あとちょっとです。
■ 銀河帝国の裏事情 ……
かつては強力な恐怖政治によって民衆を弾圧してきた銀河帝国も、開闢から 500 年が経ち、次第にその生命力も衰えつつあった。皇帝は政治に関心を持たず、宮中には権力欲に餓えた外戚たちが跋扈。更にその間を縫うように走る一本の線は、不逞な野心家 「ラインハルト」だ。皇帝を倒して帝国を奪おうという、この帝国史上最強の反逆者を止められる者は誰もいない。
■ 自由惑星同盟末期 ……
対する自由惑星同盟には、ヤンというグータラ軍人がいました。彼は戦場で起こる大抵のことは予想しているのですが、上官が頑迷でとても聞き入れては貰えません。政府は政府で困ったもの。愛国心で飾った精神論ばかりを振りかざし、現場を知ろうとはしません。彼はラインハルトと戦場で何度かまみえお互いがお互いを、強敵と認識していました。確実に力を付けていくラインハルトと、反対に、無能な上官や政治家に足を引っ張られるヤン。二人の戦いは、始まったばかりです。
■ 自由惑星同盟の裏事情 ……
かつては民主主義の理想を信じる良心的開拓者の集まりであった自由惑星同盟も、帝国からの亡命者などの受け入れにより、次第にその体質を変えつつあった。政治家は政治よりも金銭と権力に執着し、軍人は民間人の生命を守ろうともせず半ば暴走。更に現れたのは、銀河帝国の乗っ取りを図る野心家 「ラインハルト」だ。彼は個人的な対抗意識を基盤に 「ヤン」の率いる同盟軍と戦うが、もしこの最高の智将を失ったとき、果たして同盟という国家は、新生・銀河帝国を前に存在しうるのだろうか。
■ その他の単語紹介
● 政治編
・ 尚書 ( 帝国 ) ―― 帝国の偉い人たち。こっちでいうところの大臣。
・ 最高評議会 ( 同盟 ) ―― 同盟の最高機関。こっちでいうところの内閣。
・ 門閥貴族 ( 帝国 ) ―― 皇帝の外戚たち。貴族中の貴族。
選民意識は強いが頭は弱い。主人公ラインハルトとは不仲。
・ トリューニヒト派 ( 同盟 ) ―― 抵抗勢力。
悪人だけど立ち回りが巧いリーダーとカネだけが欲しい腰ぎんちゃくの集まり。
・ 地球教 ――
宇宙のアチコチに伝播しつつあるカルト宗教。
「地球を忘れるな」 という宗旨。陰謀だらけのテロ組織。
● 軍事編
・ 軍務省と統合作戦本部 ( 帝国と同盟 ) ――
こっちでいうところの防衛庁。
同盟は文民統制だから国防委員会というのがあってヤヤコシイけど
つまりどっちも 「軍上層部」。
・ ファイエルとファイヤー ( 帝国と同盟 ) ―― 「撃てーっ」の意。
帝国と同盟では言葉がチョイ違う。ちょっと気持ちいい。
・ ヤン艦隊 ( 同盟 ) ―― 急設えの第 13 艦隊。
司令官が優秀なので負け知らず。
・ ブリュンヒルト ( 帝国 ) ―― ラインハルトの座乗艦。
通称 「白い船」。帝国軍の総旗艦として活躍する。
・ トゥールハンマー ( 共通 ) ―― イゼルローン要塞の主砲。
一発で凄い量の虐殺ができる。
・ アルテミスの首飾り ―― 同盟の首都星ハイネセンに
装備されている防空システム。
これさえあれば帝国軍が攻めてきてもきっと大丈夫さ。
・ 双璧 ( 帝国 ) ―― ラインハルトの部下の二人組で
ロイエンタールとミッターマイヤーのこと。
メッチャ強いからきっと誰もかなわない。
・ シュワルツ・ランツェンレイター ( 帝国 ) ―― 黒色槍騎兵艦隊。
ビッテンフェルト率いる、全艦黒ずくめの艦隊。
攻撃力だけは宇宙最強だけど防御力はヘボイ。
・ ゼッフル粒子 ――
気体爆薬みたいなモン。これがバラ蒔かれた環境下で
火器の使用はとっても危険。あぶないミノフスキー粒子。
銃も発達してるであろう超未来で斧もって戦う理由がコレ。
● 地名編
・ フェザーン ( 共通 ) ―― 帝国と同盟を繋ぐ回廊のひとつ。
ここにはフェザーン自治領があって
人類社会における経済の中心地となっている。
一応は帝国の土地だけど自治領なので皇帝も文句が言えない。
・ イゼルローン ( 共通 ) ―― 帝国と同盟を繋ぐ回廊のひとつ。
ここにはイゼルローン要塞があって
同盟軍を前に難攻不落を誇っている。
フェザーンとイゼルローン以外のルートは未だ開拓されてないから
ここの要塞はとっても大事。
・ オーディンとハイネセン ( 帝国と同盟 ) ―― それぞれの首都星。
・ ノイエ・サンスーシー ( 帝国 ) ―― 新無憂宮。
オーディンにある皇帝の居城。とっても雅やかで人が多い。
オーディンではこれより高い建物は建てられない。
ちなみに普通の人は住めません。
・ エル・ファシル ( 同盟 ) ―― 若い頃ヤンが助けた星。
300 万人が住む。後に同盟からの独立を宣言する。
● 戦史編
・ 第 2 次ティアマト会戦 ―― 過去の戦い。
「730 年マフィア」と呼ばれる英雄たちが同盟軍を大勝利に導いた。
・ ダゴン星域会戦 ―― 過去の戦い。
ガンダムにおけるルウム戦役みたいなモン。枕詞のひとつ。
帝国軍と同盟軍、初めての戦い。リンパオ率いる同盟軍が勝利した。
● おまけ
・ 貴族の爵位について ――
男爵 → 子爵 → 伯爵 → 侯爵 → 公爵 の順で偉くなります。
・ 「けい」 とは ――
卿と書く。「君」 とか 「同志」 とかそんな意味。
・ 「フロイライン」 とは ――
「お嬢さん」 の意味ながら、訳するのは適当ではない。
「マリーンドルフ嬢」 ってのも何か違うし
「マリーンドルフさん」 ってのもどうもシックリこないから。
・ 「サイオキシン麻薬」 とは ――
もう物凄いヤバイ薬。幻覚症状から狂人と化す。
初代皇帝ルドルフと並んで、銀英伝では悪の象徴とされる。
・ 「叛乱軍」 とは ―― 宇宙時代の中華思想。
帝国の人たちは、同盟をこう呼ぶ。
帝国の他に国家はなく、自由惑星同盟なんてのは
国ではなく、辺境の叛徒どもに過ぎないというスタンス。
北が南を 「傀儡」 と呼んでるのにも近い。