当時はマイナータイトルだった『いたスト』もシリーズを重ね、今では FF のキャラクターと絡んでみたり、果ては、あのスーパーマリオまで巻き込んだりして、まああの『べーしっ君』(荒井氏) な絵ヅラの第一弾からは想像もできないほどのメジャー化を遂げたりしてるのですが、自分にとって一番思い入れがあって、今でも時々引っ張り出して遊ぶのが、この『2』だったりするのです。
シリーズは全て一通り遊んでいるのですが、『1』は堀井氏ご本人も語る通りちょっと間口が狭く、『ゴージャスキング』は華僑の富豪とか日本かぶれの西洋人とかワケのわからないのが出過ぎてて、『3』はもう論ずるにさえ及ばず、『FF&DQ』はスフィアなんて異形が入ってたりして、実はシリーズ 2 番目に好きな作品だったりするのですが、なんか正直 FF 系と DQ 系のキャラ同士の掛け合いが小寒くてちょっとイヤだったり、PSP版も手に入れたのですが、なんのこっちゃない 『FF12』の宣伝ゲーだったので、埃かぶってたりするのです。
そんな中、この 『2』だけが持つ強みと魅力は、やはり日本の庶民に合わせたキャラクターチョイスでありましょう。この点は、金銭を扱うゲームにありながら意外と忘れられてるなあと思うのですが、カネを稼ぐ楽しみや、他人を高い店に陥れてほくそえむ喜びは、この『いたスト』は十二分に味わわせてくれるけれど、「あれはシンドかろうのう」という同情と、他人の不幸を喜ぶ感覚は、この『2』以外の作品では薄いような気がするのです。
なんぞ高級デパートにハマって泣いてようが、相手が華僑の富豪だったりマハラジャの妹だったり、忍者だったり鯖だったりツタンカーメンだったりすると、どうせコイツらの金銭感覚は我々とは違いますからね。現実の世界で一億儲けた人だろうが、マンガ喫茶をホテル代わりにしてる人だろうが、マハラジャの妹の気持ちは分からないし、鯖の気持ちはもっとわからない。ところがこの『2』は、まあ月 30 以上貰ってるであろうキャラクターが、タレントのたまごという設定の子ぐらいですから。あとは学生とかプーとかセールスマンとかそんなんですから、陥れられた悔しさも、反対に陥れてやった喜びもほぼ同じ、ライトフライ級同士の戦いができるわけです。自分は、庶民の味方を訴える政治家や庶民の代表を自称する宗教家は一切信用しませんが、カネ稼ぎを題材にしたゲームなら、どこかに庶民の感覚が残っていてくれると嬉しく感じるものですね。
演出の面でもこの作品は優れています。BGM は聞き込むほどに味があり、長年歌謡曲を手掛けてきた筒美氏だけに、正直ゲーム音楽らしからぬ感もあるのですが、反面聞き飽きにくく、パーティゲームにはピッタリ。ちょっと重いぐらいの操作感も、「後戻りはできんぞ」という意味で良い方向に作用しているようです。
ただ、唯一の弱点は、CPU キャラクターの古臭さでしょうか。なんかジュリアナ系の子とかいますからね。ちょっとアッシー・ミツグ君の雰囲気のある、ひろゆきも古いよなあ。94年作なのに、全般的にどことなくバブルな雰囲気なのですが、それを含めて楽しむことができれば、あなたにとって最高のボードゲームとなってくれるでしょう。少なくとも、桃鉄や人生ゲームよりは、頭を使う余地がありそうです。
Copyright (C) 1999-2007 Tomoo Hisakawa All Rights Reserved.